第十話 ページ12
産屋敷邸以来、炭治郎とAは仲がいいとまでは行かないが、会話を交わせるほどには交流を深めていた。
傍から見れば、美女と少年の他愛のない会話の風景、だが善逸にはそうはいかないのが何時もの流れである。
「炭治郎てめぇ!!また知らない間にそんな美人と知り合いになっ…て、ひぇぇぇえええっ、お姉さんすっごく美人だけどさ!美人なんだけどさ!何でそんなに怖い音させてんの!!?!
え、まって俺ちびっちゃう!!え、音が二つ?は?待って待って、そんなに怖い音させながら般若みたいな顔しないでよおおおおぉっ!!!!」
「うるっっせぇんだよ!紋逸!!」
「い゙ぃや゙あ゙あ゙っ、伊之助が殴った!!俺怪我人なのに!!…__っ!、っ!?!!?」
閃光の如く駆け寄った善逸だったが、Aから聞こえてきた音に恐怖の悲鳴を上げる。
その様子に興味を持つAだが、それよりも煩いその声に顔を顰めると杖を構え呪文をかけた。
「煩いのよ、お前。私は煩いのが嫌いなの、黙れないって言うなら、今ここで叫ぶ力も無くなるほど痛め付けるわよ」
本気なのか、冗談なのか、間違いなく前者である事を分かっている炭治郎は慌てた様子でAを宥めに入る。
恐怖に涙を浮かべる善逸だったが、素直に頷くと口を閉じたのでAは呪文を解く。
その一部始終を見ていて黙っていないのが一人居ることを忘れては行けなかった。
いつの間にか居なくなっていた伊之助、炭治郎はそのことに気が付き辺りを見渡すものの姿は無かった。
…が、その数秒後、何故か屋根の上からAへと斬り掛かる伊之助がいた。
咄嗟のことで動けなかった炭治郎、しかしその心配は杞憂だと言いたげにAは杖を空に向けた。
『 プロテゴ (護れ) 』
その一言と共に伊之助の攻撃は弾かれた。
いける、そう思っていた伊之助は咄嗟のことに受身を取るが、続け様にAはもう一つの呪文を口にした。
『 エクスペリアームス (武器よ去れ) 』
杖の先から出た閃光により、伊之助の手から刀が弾け飛ぶ。
『 アクシオ (来い) 』
小さな声で聞こえたその呪文、すると不思議なことに伊之助の刀はいつの間にかAの手の内にあった。
一連の流れを見ていた善逸と炭治郎、そして当事者の伊之助は暫くの間惚けていた。
しかし、すぐさま切り替えたのは伊之助である。
「お、お前!すげぇじゃねぇか!!女でひょろひょろしてんのに!!今のどうやった!俺様の刀を返しやがれ!!!」
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waiz - ハリポタと鬼滅の小説初めて見させて頂きました!とても気になり更新が待ち遠しいです! (2020年10月31日 23時) (レス) id: c8dc595a97 (このIDを非表示/違反報告)
nekonatsu6(プロフ) - ハリーポッターと鬼滅!最高です!続きがめっちゃ気になります!! (2020年8月7日 13時) (レス) id: d11df75cc6 (このIDを非表示/違反報告)
あずは(プロフ) - あおいつばめさん» このふたつってあまり組み合わせを見かけないのですが、合うんじゃないかと思って書き始めました!更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2020年6月8日 9時) (レス) id: 188c19254d (このIDを非表示/違反報告)
あずは(プロフ) - ほたるさん» 今、結末を考えていますが色々な結末が浮かびすぎて、分岐もいいかもしれないと考えております!!更新がまちまちになってしまいますが、どうぞ引き続きお楽しみください!! (2020年6月8日 9時) (レス) id: 188c19254d (このIDを非表示/違反報告)
あおいつばめ - うわあ、ハリー・ポッターも鬼滅もどっちも半端なく好きっ!! (2020年6月6日 8時) (レス) id: f654d8bd28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あずは | 作成日時:2020年5月16日 15時