第1話。 ページ14
どうして追いかけないの？
動け私の足。
今行かないと、田ノ浦くん…きっともう2度と戻ってこないよ…。
お願いだから動いてよ！！
「……っ」
ダメだ全然動かない。
こうしている間にも田ノ浦くんはどんどん遠くなって行く。
フラれた…
最愛の人に見放された。
ねぇ、どうして？
どうして私は秘密の１つも隠せずに田ノ浦くんを傷つけてしまったの？
やだ…行かないで。
行かないでよ…
私は田ノ浦くんを失う辛さに耐えきれずその場に座り込んで泣いた。
「あっれ〜どうしたの〜」
暫く座り込んでいたのか、いつのまにか私の周りを数人の男の人達が取り囲んでいた。
「…なんでもないです」
「なぁ、慰めてやるから俺らと一緒に回ろうぜ」
やだ…この人達酔ってる…
早く逃げないと…
「離してくださいっ！」
私は掴まれた手を勢いよく振り払い反対方向へ走った。
さっきまで人が歩いていたのに、花火を見に行ったのか私たちだけになっている。
どこか、せめて人のいる場所に…
「待てって！！うっわ、めっちゃ可愛いじゃん！」
「マジだ！！すっげー美人」
「ちょっと、やめてくださいっ！んんっ！」
「騒ぐなって！！」
私は手の自由を奪われた上に、口も塞がれてもう叫ぶことすらできなくなった。
怖い…
助けて…
助けてよ、田ノ浦くんっ！
「何やってんだよ！！」
それは突然だった。
急に突き飛ばされたと思ったら目の前には全く予想のつかなかった男の人が立っていて…
「なんだよ、ミユキ」
ひとりの男の人がその名を呼んで、やっとその事実を確認できた。
ミユキお兄ちゃんが助けてくれた…？
「こいつは俺の妹だよ。」
ミユキお兄ちゃんがそう言うと、
「はぁ！？マジかよ！！」
「ホントごめん」
と、私に頭を深く下げて男の人達はそそくさと会場に戻って行った。
「……」
「……」
暫くの沈黙が過ぎた後、お兄ちゃんは徐に私の腕を掴み強引に立ち上がらせた。
「お前、マジふざけんなよ」
お兄ちゃんのやっと放った第一声に私の体はビクンと反応した。
「ごめんなさい…」
「とりあえず帰んぞ、お仕置きはその後だ」
お兄ちゃんはそう言って私の腕を強く引いた。
「お兄ちゃん…ごめんなさいっ！！」
やめて…
今はやめて…
今、お仕置きされたらきっと私…壊れちゃう。
だから今は…っ
「…っ」
私は必死でお兄ちゃんの手を振り払って走った。
後ろを振り返らずにただただ、ひたすら真っ直ぐに祭り会場へ。
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クロ - 久しぶりです！ 少し来れてなくて....更新してくれて嬉しいです感激で語彙力が (2019年8月18日 13時) (
レス) id: df4019f8a8 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - えだまめさん» わぁ、えだまめさんお久しぶりです！！part2までどうもありがとうございます！！part3でも元気をもらえたら嬉しいです！またお待ちしてます！ (2019年6月4日 4時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - 二度目のコメント失礼致します…！お忙しい中part2更新お疲れ様でした！ドキドキの展開で完結まで楽しみです！part3も楽しみにしております！ (2019年6月4日 3時) (レス) id: 83643b9572 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 夜道さん» 夜道さん、コメントありがとうございます！part3はお兄ちゃんたちのことをメインで書いていこうと思うので最後まで見守っていただけると嬉しいです！ (2019年6月4日 3時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - リリム@MEIKO廃さん» リリム様、コメントありがとうございます！すごく嬉しいお言葉感謝します！part3でまたお会い出来ることを楽しみにしています！ (2019年6月4日 3時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりあ | 作成日時：2018年8月15日 23時
