第1話。 ページ37
部屋に閉じ込められてもう4日も経った。
お父さんは相変わらず帰ってこないし。
私は本当に籠の中の鳥になってしまった。
私がこの部屋から出られるのはトイレの時だけ。
でも、リビングにはいつも携帯をいじりながら私が外に出ないかを見張っているシンお兄ちゃんがいる。
外に出るにはリビングを通らないと行けないし。
今頃、田ノ浦くん…何してるのかな？
私が学校を休んだ初日以来、田ノ浦くんはここに訪れていない。
でもいつ来てくれるかわからないから私はずっと窓の外を見ながら彼を待つ。
普通に考えて来てくれるはずもないのに。
ガサッ
その音で目を覚ます。
「…飯。」
シンお兄ちゃんがご飯を投げた音だ。
コンビニ袋に入った晩御飯。
「お前さ、いつまで窓にへばりついてんの？」
お兄ちゃんはそう言って私の腕を掴みベットに投げ飛ばした。
「もしかして、まだ田ノ浦待ってんの？」
お兄ちゃんはTシャツを脱いで私の上にまたがる。
「あいつならこねぇよ」
「…なんでわかるの？？」
私がそういうとお兄ちゃんは私の服を脱がしながらふっと右の口角を上げた。
「お前が会いたくないって言ってるって追い返してるからだよ」
酷い…
これはあんまりだよ。
私には田ノ浦くんしかいないのに。
「もうお前、きらわれたんじゃねぇの？」
「そんなことないっ！ちゃんと言うもん！違ってちゃんと…っ」
「おいおい、勝手に喋んなよ。てかその前にお前、ここから出られると思ってんの？」
言い返したいのに、恐怖とお兄ちゃんに口を塞がれているせいで口をうまく開けない。
「田ノ浦ってやつも、俺らとお前が毎日何をしてるのか知ったら絶対拒絶すんだろ？」
そうだった…
私、もう汚れてるんだ。
汚い体だったんだ。
何で今まで考えもしなかったんだろう。
どうかしてた。
もし、貴方と繋がったとしてもいつかは知られてしまう。
そしたら貴方は絶対に私を拒絶するよね？
気持ちの悪い女だと私から離れていくでしょ？
もしそうなったら私、この先生きて行けないよ。
貴方だけなの。
私には貴方しかいないの。
ねぇ、田ノ浦くん。
私ね…今、物凄く貴方に会いたいの。
貴方の笑顔が見たいの。
貴方に触れたいの。
でもね、私…
貴方と一緒にはなれないよ。
だって私、貴方みたいに綺麗じゃないの。
貴方みたいに綺麗に笑えないの。
ごめんね…
ほんとうにごめん。
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まなか(プロフ) - はじめまして。すごくおもしろいです、全て読ませていただきましたが話がとても深く、とても感情移入してしまいました。更新等頑張ってください。楽しみにしてます (2021年1月12日 22時) (
レス) id: 55942c365e (このIDを非表示/違反報告)
彩波 - 面白いです！！！！ もう感動して泣きましたよー！！ part 2も頑張ってください！ (2019年2月16日 6時) (レス) id: 6f464ca19c (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 魅月さん» ありがとうございます！！そのコメントに元気をもらいました！！ Part2の方もどうぞよろしくお願いします！ (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 匿名でいたいさん» うずうずさせてしまってすみません！笑笑 Part2できました^_^ Part2の方でもうずうずさせない程度に頑張りますのでよろしくお願いします！ (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - ゆうあさん» コメントありがとうございます！夢主が幸せになれるよう最後まで見守ってください^_^これからもコメントお待ちしております！ (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりあ | 作成日時：2018年4月20日 4時
