義兄は私を嫌っている。

第4話。 ページ33

ガラッ

いつも通りの時間に図書室に行くと彼女はいなかった。

「朝早いですね」

あ、こないだの真面目女

「今日は渡辺さんいないの？」

「はい。朝、本人から電話があって今日は行けないと…随分親しいようなのに知らないんですか？」

…っち

マジでムカつく女

余計なお世話だっつーの

「あ、ホントだ…メール見たらきてたわ」

俺はポケットから携帯を取り出し、ホーム画面を見ながらそう答えた。

もちろん、彼女からのメールはない。

ただの強がりだ。

「そうですか、それは良かった」

「じゃあ、ありがとな」

俺は真面目女にそう告げて図書室のドアをちょっと強めにしめた。

どうすんだよ、この時間。

こんなことなら強がらずにあのクソムカつく真面目女に渡辺さんの電話番号聞いとくんだった。

「んー、ねっむ」

結構時間あるし、屋上で少し寝るか。


キーンコーン…

やっべ、熟睡してた

てか、あっつ

今思い出したけど、夏の猛暑の時期じゃねぇか

朝は日が照ってねぇから忘れてた

最悪、制服ビショビショだよ

こんなんになるまで起きなかった俺、すげぇな。

俺は自分に関心しながら時刻を確認し、慌てて教室に戻った


ガヤガヤ

教室に戻るといつもより教室が騒がしい

なんだこれ？

誰か死んだのか？

「蓮、おっそーい！」

俺が扉の前に立っているとあやかが駆け寄ってきた

またウゼェのきたわ。

「何かあったのか？」

俺がそう聞くとあやかは徐に携帯を取り出しある写真を見せてきた。

「なんだこれ？」

その写真には渡辺さんと俺がキスをしているのがバッチリ写っていた。

「それはこっちのセリフだよ！なんで私の誘いは断る癖にこの女とはデートしてんの？」

「別に関係ないだろ？この写真撮ったの誰だよ」

てか、どうやって撮ったんだコレ？

角度からして結構遠いけど、他の乗客いたのか？

「知らないよ、朝メール見たら全員に送られてたみたいだし。それより蓮、この女と付き合ってるわけ？」

「あ？付き合ってねぇよ」

「じゃあ、なんでキスしてんの？」

あー、マジめんどくせぇ

クラス中…てか、それ以上に集まってんじゃねぇかよ。

「この女のこと好きなの！？」

いい加減黙れよ、クソ女。

「ねぇ、蓮ってば！」

お前のその汚い金髪で口塞ぐぞ？

「なんかいいなよ！」

「うるせぇな、俺が好きなんだよ！」

その言葉でシーンとなる教室

でもそれはしばらくの間で、すぐにさっきよりざわつき始めた。

やっべ…やらかした。

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