義兄は私を嫌っている。

第3話。 ページ20

「ねぇ、別れたってホントなの！？」

私が教科書を出して授業の準備をしていると、親友の結衣が慌てて尋ねてきた。

「うん」

「うんって…朝からその話で持ちきりだよ？？一体何があったの？」

「別に…」

「理由がないと別れないでしょ？」

「本当になにもないの」

なんで自分の頭が冷静なのか、全くわからない。

何もかも、全部…もうわからなくなっちゃった。

「まぁ…男はいっぱいいるからね、ミユキ以上…はちょっと難しいかもしれないけどさ、次に行こう」

結衣はそう言うと私の頭を優しく撫でた。







ー数日前ー

もうミユキってば、今日は遅くなるから先に帰ってろって…

そういうこと、もっと早めに言ってよね！

私はこの日、散々待った挙句、1人で帰る事になった。

「あっ、Aちゃん！」

そんな中私は帰宅中のミユキの妹に遭遇した。

「あ…えーと、カナさん？」

Aちゃんは少し驚いた顔をして私を見た。

「いつも、こんな遅くに帰ってるの？」

時間はもう、とっくに7時を回っていた。

「図書委員の仕事をしているので」

「あ、そうなんだ！中学からミユキの学校近いし、迎えにきてもらえばいいのに！」

私がそう言うとAちゃんは「へへ」と愛想笑いをした。

あまり、ミユキと仲良くないのかな？

ミユキから妹の話、一度も聞いたことないし。

まぁ、いいか。

「私の家、Aちゃんのちょっと先だから一緒に帰ろ！」

「…はい」

こうして私たちは一緒に帰ることになった。




「ねぇ、ミユキって家でどんな感じ？」

私は早速、ミユキのことを尋ねてみる。

「…優しいです」

そっか、ミユキは家でも優しいのか。

学校でもミユキは同学年からも後輩からも凄く慕われている。

でも、それは私も知っている。

「他は？ ミユキの好きなものとか、家族しか知らないこととか」

ちょっと厚かましいかな？

でも、私はもっとミユキのことを知りたい。

他の人が知らないことをもっと。

「私はあまり…」

Aちゃんはそう言うと困った顔をした。

「そっか、ごめんね…」

それにしても口数が少ない子だな…

顔は凄く可愛いのに男の子とか、話しかけずらそう。

「あ、あと１つだけ聞いてもいい？」

私はここである事を思い出した。

「はい」

彼女は私を見て、首を傾げる。

「貴方達のお母さんのことなんだけど…」

「…っ！！」

私がそう口にした瞬間、Aちゃんの顔が明らかに曇った気がした。

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