第2話。 ページ19
「ただいま」
「あら、カナ？早かったじゃない」
家の玄関を開けると、母は驚いた顔で私を出迎えた。
「今日はミユキくんの家に行くんじゃなかったの？」
「うん…行ってきたよ」
私がそう言うと母は目を輝かせて、
「で、未来のスーパースターの家はどうだった？広かった？豪華だった？弟も凄くイケメンでスターになるんですってね！妹は？見たの？」
母は私が答える暇もないくらい凄い勢いで質問責めしてくる。
「普通に広かったよ…妹も凄い美人だった」
「あら〜じゃあ、妹さんも将来が楽しみね」
母はそう言うと顔に手を当てうっとりと天を見上げた。
まったく、どうなってんのよ。
貴方、母親でしょ？
娘が落ち込ん出るのがわからないの？
「もう、寝るから」
「え？ご飯は？」
「いらない」
「なんで？気分悪いの？」
「もぉ、うるさいな！ほっといてよ！」
私はいつも通り能天気な母に若干イラっとしながら二階に登る。
こんな時にご飯なんか食べられるわけないでしょ！
「せっかく今日はカナの好きなハンバーグなのに」
ふんっ
誰が食べるもんですか！
「チーズものせてるのに」
「……」
絶対に食べないし…
「あ、そういえば、デザートにケーキもあるんだった！」
「…んっもう！わかった、たべる！食べればいいんでしょ！」
本当に母には敵わない。
「何か食べないと考え事なんて出来ないでしょ？」
母はそう言って私の肩をぽんぽんと優しく叩いた。
「…お母さん…っ」
ダメだ、涙が出てきた。
自分の部屋まで我慢しようとしてたのに。
「ほら、泣かないの」
ちゃんと、わかっててくれたんだ。
お母さんがいてくれてよかった。
もしお母さんがいなかったら、きっと1人で塞ぎ込んでいたと思うんだ。
お母さん…側にいてくれて本当にありがとう。
ミユキの母が亡くなっていると知ったのは、この後だった。
本当に私…ミユキのこと何も知らなかったんだ。
もう少し…もう少しだけでもいいから、ミユキに近づきたい。
ミユキのことをもっと知りたい。
ミユキのことをちゃんと理解したい。
でも、ミユキの家に行った日から数日後…
私はミユキに別れを告げられた。
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まなか(プロフ) - はじめまして。すごくおもしろいです、全て読ませていただきましたが話がとても深く、とても感情移入してしまいました。更新等頑張ってください。楽しみにしてます (2021年1月12日 22時) (
レス) id: 55942c365e (このIDを非表示/違反報告)
彩波 - 面白いです！！！！ もう感動して泣きましたよー！！ part 2も頑張ってください！ (2019年2月16日 6時) (レス) id: 6f464ca19c (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 魅月さん» ありがとうございます！！そのコメントに元気をもらいました！！ Part2の方もどうぞよろしくお願いします！ (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 匿名でいたいさん» うずうずさせてしまってすみません！笑笑 Part2できました^_^ Part2の方でもうずうずさせない程度に頑張りますのでよろしくお願いします！ (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - ゆうあさん» コメントありがとうございます！夢主が幸せになれるよう最後まで見守ってください^_^これからもコメントお待ちしております！ (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりあ | 作成日時：2018年4月20日 4時
