第3話。 ページ13
「れーんっ！」
「うわっ、びびった！お、あやかじゃん。」
「今日はね、蓮のためにお弁当作って来たんだよ」
「まじ？試合じゃないのに？」
「ダメだった？」
「いや、まじ嬉しい。サンキュ」
これで今日、３つ目だけど。
あーあ、どうすっかなこれ。
捨てんのはまだいいとして、弁当箱洗うのが面倒いんだよ。
でも母さんに見られるのも、なんか嫌だし。
「ねーねー今からさ、一緒に中庭に行こうよ」
あやかはそういうと馴れ馴れしく俺の腕に手を回して来た。
「タクミくんも一緒にどぉ？」
俺は、俺と一緒に誘われたタクミに断れと目で合図した。
タクミはそれに頷いてオッケーサインを出す。
俺はそれに安心してあやかから手を離そうとしたのだが、
「もちろん、あやかちゃんとなら大歓迎。」
タクミが口にしたのは全く別の答えで。
「だって！！ね、行こっ」
「…おう。」
俺は断れるはずもなく腕を組まれたまま、中庭に行くことになった。
タクミの奴、ぜってー後でぶっ殺してやる！
「それでさー、うちの男子がぁ…」
まじ、うっせぇなこの女。
なに彼女面してんだよ。
俺はなんとか、あやかの腕を自然に離そうとするのだが、離そうとすればするほどがっしりと掴んで来るので諦めた。
「うそっ！やだ、なんか踏んだ！」
ぼーっとなにも考えず歩いていると、あやかが急に大声をあげる。
「なーんだ、花じゃん。びっくりした」
どうやら、あやかは花壇に植えられる前のビニルポットに入った花を踏んでしまったようだった。
俺はとりあえず、解放されたいあまり、
「さっさと行くぞ」
とあやかを急かした。
「あ」
俺があやかから少し視線を逸らすと、1人の女と目があった。
渡辺Aだ。
彼女は長い黒髪をポニーテールにして手には軍手をしていた。
軍手が汚れているのを見て、俺は直ぐに察した。
花を植えていたのは彼女だと。
「あ、渡辺さんじゃん！」
「なに、友達なの？」
あやかが彼女の名を口にすると、タクミはすかさず質問した。
「同じクラスの子だよ、みんなが嫌がってた花壇の仕事を1人でやるって言ってくれたの」
渡辺さんはもう一度、俺を見ると直ぐに立ち上がってあやかが踏んだ、花の入ったビニルポットを静かに拾いあつめた。
「俺も手伝うよ」
まずいことをしたと思い、容器に触れようとすると…
「触らないで！」
彼女は初めて聞くような大きな声で俺を拒絶し、その花を持って校舎に入っていった。
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まなか(プロフ) - はじめまして。すごくおもしろいです、全て読ませていただきましたが話がとても深く、とても感情移入してしまいました。更新等頑張ってください。楽しみにしてます (2021年1月12日 22時) (
レス) id: 55942c365e (このIDを非表示/違反報告)
彩波 - 面白いです！！！！ もう感動して泣きましたよー！！ part 2も頑張ってください！ (2019年2月16日 6時) (レス) id: 6f464ca19c (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 魅月さん» ありがとうございます！！そのコメントに元気をもらいました！！ Part2の方もどうぞよろしくお願いします！ (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 匿名でいたいさん» うずうずさせてしまってすみません！笑笑 Part2できました^_^ Part2の方でもうずうずさせない程度に頑張りますのでよろしくお願いします！ (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - ゆうあさん» コメントありがとうございます！夢主が幸せになれるよう最後まで見守ってください^_^これからもコメントお待ちしております！ (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりあ | 作成日時：2018年4月20日 4時
