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第4話。 ページ14

「なにあれ、感じ悪っ!ねぇ、早く行こうよ」

「わり、ちょっと先に行ってて」

「あっ、ちょっと蓮!!」

俺はあやかをタクミに任せ、彼女を追って校舎に戻った。




「ちょっとまって、まてって!」

俺は振り向きもしない渡辺さんの肩を掴んで強引に俺の方を向かせた。

「本当にごめん、この花はちゃんと弁償するから」

俺がそういうと彼女はゆっくりと顔を上げた。

「大丈夫だから、もうついてこないで」

そう言った彼女の目はやっぱり冷たかった。

「じゃあ、せめて花を植えるの手伝うよ」

「いいってば!お願いだからあっちに行ってよ!」

はぁ…

これ以上言っても無駄だな。

「わかった、本当にごめん」

俺が諦めてもう一度あやまると、彼女は俺の手を自分から離して歩き去って行った。




「お前、確実に嫌われたな」

部活の休憩中、タクミは笑いながら水をガブガブと飲んだ。

「俺のせいじゃねぇだろ」

俺はタクミの飲みかけの水を取り上げそれを口に含む。

「だってお前、あやかを急かしてそのままにしとこうとしてたべ。」

「あーそうだった…」

「な!お前に渡辺さんは無理なんだって、次いこーぜ。次!」

タクミはそう言ってはははと笑うと俺の背中を叩いた。

タクミなりの優しさだろうけど、ちょっとムカつくな。

「ばーか、まだそうと決まってねぇだろ」

「は?まだなんか秘策あんの?」

「まーな。」

「お前の諦めの悪さは本当に尊敬レベルだな」

「そりゃどーも。よし、じゃあ今から図書室行ってくるわ」

「またかよ」

タクミはため息をつきながら、行ってらっしゃいと渋々俺を送り出した。





「あれ?渡辺さんは?」

図書室についてカウンターを覗いてみると、そこには渡辺さんの姿はなく地味なメガネをかけた女子が座っていた。

「今日はいませんよ」

いない日とかあるんだ。

ま、そりゃあるわな。

「ふーん…じゃあ、次はいつくんの?」

「明日が早番となっています」

真面目で面白味のない女。

「そっか、ちなみに早番は何時?」

「明日は新しい本が入るのでその準備のため7時にはいると思いますよ」

「1人で?」

「ええ、当番は大体ひとりと決まってますので」

あの子、いつも何かしらやらされてんのな。

「ありがとう、じゃあね」

俺は真面目女にお礼を言い図書室を出た。



朝7時にひとりで…ね。


これはチャンスかな。

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まなか(プロフ) - はじめまして。すごくおもしろいです、全て読ませていただきましたが話がとても深く、とても感情移入してしまいました。更新等頑張ってください。楽しみにしてます (2021年1月12日 22時) (レス) id: 55942c365e (このIDを非表示/違反報告)
彩波 - 面白いです!!!! もう感動して泣きましたよー!! part 2も頑張ってください! (2019年2月16日 6時) (レス) id: 6f464ca19c (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 魅月さん» ありがとうございます!!そのコメントに元気をもらいました!! Part2の方もどうぞよろしくお願いします! (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 匿名でいたいさん» うずうずさせてしまってすみません!笑笑 Part2できました^_^ Part2の方でもうずうずさせない程度に頑張りますのでよろしくお願いします! (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - ゆうあさん» コメントありがとうございます!夢主が幸せになれるよう最後まで見守ってください^_^これからもコメントお待ちしております! (2018年8月18日 0時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まりあ | 作成日時:2018年4月20日 4時

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