義兄は私を嫌っている。

第5話。 ページ22

「ミユキ、今度遊ぼうよ！」

「わり、しばらく休みないんだわ」

「ねぇ、ミユキ〜お昼一緒に食べよ！」

昼休み、きゃあきゃあとうるさい教室。

「あーあ…早速モテてんね、あいつ！」

「そうだね…私たちもご飯、行こう。」

私はミユキを囲む女子集団を怪訝そうな顔で見る結衣を急かして教室を出た。

なんで私…ミユキと同じクラスなんだろう。

クラス替えがあった日はあんなに嬉しかったのに。

「あー腹立つわ！ミユキのやつ、あからさまにカナのこと避けてんじゃん！」

結衣はそう言うと教室を振り返ってベーっと舌を出した。

「しょうがないよ…逆に開き直られた方がよっぽどキツイから。」

私がそう答えると、

「そうだね…」

と結衣は少し気まずそうに答えた。

結衣が気まずそうにすることないのに。

まぁ、そうなるのは当たり前か。

「なんかカナ、顔色悪くない？ちゃんと寝てるの？大丈夫？」

「うん、大丈夫」

私の顔を心配そうに覗いてくる結衣にそう告げて、私は中庭へ急いだ。

ううん、本当はウソ。

振られた時、何故あんなに冷静だったのか信じられないくらい今は涙で枕を濡らす毎日だ。

なんども携帯を確認して、その度に落ち込んで。

今までの生活はミユキ中心で回ってたから…

心にぽっかりと穴が開いたみたいで毎日が苦しい。




ねぇ、ミユキ…

私…貴方のことが好きすぎて、まだ前に進めないよ。

＊第4章。→←第4話。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す