6人の悪魔part2

第18話(キセキ) ページ37

緑間side

ガシャンッガタガタッ

赤司の親父から電話が入り、赤司宅に入ってみると部屋の中は荒れ果てていた。

すまない、そう深々と頭を下げる赤司の親父に軽く会釈をして赤司の元へ向かった。

赤司の親父は簡単に謝るような人じゃなかったはず。

余程、赤司が手につけられなくなったとでもいうのだろうか。

緑 赤司、落ち着け。

俺は色々なものが散乱している部屋に足を踏み入れた。

いつもは生活感が感じられない部屋がこんなに物があったのかと思う程に荒れ果てている。

これが今の赤司の精神状態か。

赤司は部屋の隅で小さく丸まっている。

赤 真太郎か？

どうやら赤司は俺の姿を捉えたらしい。

緑 少しは落ち着いたか？

赤 …。

俺がそう聞いても赤司は下を向いて返事をしない。

緑 はぁ…毎回お前が暴れるたびに呼ばれる俺の身にもなれ。

俺はそう小言を言いながら赤司の隣に腰を下ろした。

緑 安心しろ赤司、黄瀬はすぐに戻ってくる。

その言葉を聞いた赤司がゆっくりと顔をあげる。

赤 確証はあるのか？

緑 …は？

赤 涼太が僕の元に戻ってくる確証はあるのかと聞いているんだ。

明らかに目が座っている。

この状態になった赤司を止めることは俺でも難しい。

赤 もういい、転校生を連れてこい。

緑 何をいっているのだよ。今はおじさんもいるんだから無理に決まっているだろう。

赤 いいから連れてこいといっているんだ！！！

これはもう駄目だな。

緑 連れて来てどうするつもりなのだよ。

赤 決まっているだろう？もっともっと絶望を与えてやる…

緑 いつも通り冷静に考えてみろ。この状態で転校生に手を出したら黄瀬はもっとお前を軽蔑するぞ？

赤 …。

緑 とりあえず、今は黄瀬の様子を伺おう。

赤 …。

赤司が俺に何も反論してこない。

これは昨日の黄瀬の言葉が相当効いてるらしいな。

赤 取り乱して悪かったな、真太郎。

赤司はしばらくしてそう言い、乱れた服を直しながら俺の方を見た。

ほら、またこの顔。

最低な男だとわかっている。

わかっているのに…。

俺はこの切なそうな顔を見る度に、またお前から離れられなくなってしまうんだ。

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