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第14話(キセキ) ページ30

緑間side

ダムダム…

赤 なぁ、真太郎。

赤司は相変わらず華麗にドリブルをしながら俺を流し目で見た。

緑 なんなのだよ。

そんな俺は靴紐を固く結びながら赤司が自在に操るボールを目で追いかける。

赤 涼太は何時に登校してくる?

緑 俺があいつのことを知るわけがないのだよ。

俺がそう言うと赤司はドリブルを止め、シュート体制に入った。

パシュ…ッ

さすが赤司だな。

赤司が放ったボールは乱れることなく綺麗な弧を描いてリングにすっぽりと収まった。

赤 お前はいつからそんなに仲間思いになったんだ?

緑 なにを言っているのだよ、本当に知らな…

ガンッ!!!コロコロコロ…

今…なにが…?

気づけば赤司が投げたボールが俺の足元に転がってきた。

緑 赤司!!なにをするのだよ!!

もし俺が避けなかったら確実に顔面に当たっていた。

しかも、ここから大分離れている壁に当たって俺まで跳ね返ってくるほどの威力だ。

赤 悪い悪い。少し虫酸が走ったものだからな。

赤司はそう言ってボールを投げた方の手をプラプラと振った。

赤 真太郎、もう一度聞くぞ。

赤司がゆっくりと俺に近づいてくる。

赤 涼太は何時に登校してきて、旧図書室で転校生となにをしている?

赤司…全部知っていたのか?

俺がそれに気づいていたのにお前に黙っていたことさえも?

そしてとうとう、赤司の恐ろしいほど綺麗な顔は俺の目の前までやってきた。

赤 早く答えろ真太郎。

上目遣いになっているせいか、赤司の目はいつもより怒りに満ちているようにも感じる。

緑 知らないのだよ…本当に。

別に黄瀬を守ろうとかそんなことを思ったわけではない。

むしろどうでもいい。

ただ、脅されたから話すという事を俺のプライドが許さなかっただけだ。

赤 そうか、すまなかったな真太郎。

少し覚悟を決めていたのに、赤司は意外にすんなりと引き下がった。

赤司は俺から離れて再びボールを手に取り、俺にパスを出した。

赤 お前には、失望したよ。

首に巻いているタオルで汗を拭きながら赤司は俺に冷たい視線を送った。

赤司に嘘は絶対に通用しない。

それは分かっている。

俺は赤司に背を向けてボールをリングに投げた。

パシュ…ッ

そのボールは当然、外れることなくリングに収まった。

赤 知らないで通すつもりなら別に構わないさ。自分で調べるとするよ。

赤司はそう言うと右の口角をあげた。




嫌な予感がするのだよ…。

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女瑠 - part2お疲れ様です! part3がんばってください!! (2017年12月22日 2時) (レス) id: e055650e7e (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 女瑠さん» また、頑張って更新していくのでどうか見捨てないでください!笑笑 (2017年12月19日 1時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 女瑠さん» コメントありがとうございます!!年末、忙しすぎて中々書けませんでした泣 (2017年12月19日 1時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
女瑠 - キセキと桃井ちゃんにどんな過去が?! 更新がんばってください (2017年12月18日 3時) (レス) id: e055650e7e (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - こゆきさん» ありがとうございます!!精一杯頑張らせていただきます!! (2017年11月20日 19時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まりあ | 作成日時:2017年10月18日 12時

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