第13話 ページ27
黄 ちょっと、ついてきてくんないスか?
いつも通りの時間に登校すると、黄瀬くんが私のロッカーに手をついて待ち構えていた。
やだ…また無意識に体が震えて、歯がカチカチと音を立てる。
朝のゆっくりできる時間まで奪われた…
明日からはもっと遅めにこないと…
私はそう思いながら黄瀬くんの命令に素直に応じた。
黄 よいしょっと。
黄瀬くんは旧図書室についてすぐに私を抱き抱え、1番奥の机に下ろした。
黄 あんた、軽すぎっスよ。ちゃんと食べてるんスか?
黄瀬くんはそういうと私の口にクッキーを無理矢理入れた。
この人達は…本当になんなんだろう?
普段は悪魔みたいなのに急に優しくなったり…
もうそんなの…精神的にやられるだけなのに。
そんなことも絶対わかってやってるんだよね…
自 …っ
でも、やっぱり騙されそうになるよ。
貴方達が時折見せる、苦しそうな顔には…
黄瀬くんは私の唇に軽く口づけをして私の太ももに頭を乗せた。
黄 安心していいっスよ、今は何もしないっスから。
そう言って黄瀬くんは目を瞑った。
本当に綺麗な顔してる…
確か、黄瀬くんはモデルだったよね。
納得だな…
私がじっと顔を覗いていると、黄瀬くんの形のいい唇がゆっくりと動いた。
黄 最近、寝れないんスよ…ずっと俺の頭の中で泣いてる奴のせいで。
自 …え?
黄瀬くんの頭の中で泣いている…?
一体、誰のことを言っているの?
黄 他の女の子と寝てもその子が脳裏に浮かんできて邪魔するんス。
急にどうしたんだろう…?
相当、疲れているのかな?
黄 体…ずっと震えてる…
黄瀬くんはそう言って私の太ももをそっと撫でた。
黄瀬くん…何で今日はそんなに優しいの?
やっぱり、なんかおかしいよ…
黄 Aっち…
自 え…黄瀬…くん?
もしかして今…?
黄 俺の方見て。
黄瀬くんは私に考える間も与えず右手で私の頭を抑えた。
黄 …ちゅ。
軽くて優しいキス。
そしてやっぱり黄瀬くんとのキスはブルーベリーの味がした。
黄瀬くん…私のことAちゃんでも転校生でもなく、Aっちって言った。
ねぇ、これも何かの作戦なの?
私はそんな疑問を抱きながら赤くなった顔を両手で隠した。
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女瑠 - part2お疲れ様です! part3がんばってください!! (2017年12月22日 2時) (レス) id: e055650e7e (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 女瑠さん» また、頑張って更新していくのでどうか見捨てないでください!笑笑 (2017年12月19日 1時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 女瑠さん» コメントありがとうございます!!年末、忙しすぎて中々書けませんでした泣 (2017年12月19日 1時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
女瑠 - キセキと桃井ちゃんにどんな過去が?! 更新がんばってください (2017年12月18日 3時) (レス) id: e055650e7e (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - こゆきさん» ありがとうございます!!精一杯頑張らせていただきます!! (2017年11月20日 19時) (レス) id: 3c107f3e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりあ | 作成日時:2017年10月18日 12時