19*これから ページ23
____告白されたあの日から数十日、
先生とは顔を合わせないまま。
迎えた今日は、先生に"返事"をする日。
*
『返事は、要らないよ。伝えられたから十分。
これから、僕と会いたくなければそれで構わないし……もし、普通に接してくれるなら、僕も今まで通りに君をサポートしたい。
……なんて、告白しといて無責任、だけど…、
君に嘘をついたままで関わることだけは、出来なかった。ごめん』
そう言って立ち去ろうとした先生に、私は言った。
『…時間をください。どうしても、ちゃんとした答えが出したいんです』
___私と正面から向き合ってくれた先生に、きちんと返事をしなくちゃいけない、そう思って。
*
相談室のドアが開く。
「Aちゃん、こんにちは」
「…こんにちは、」
「……今日で、よかった?」
先生の問いかけに、こくりと頷く。
"時間があったら、相談室に来てください"
りぶ先生を通して伊東先生に伝えてもらったのは、今日のお昼のことだ。
放課後。
また久しぶりに、先生と顔を合わせて。
ソファに並んで座るのは、もう何回目だろう。
いつも私を気にかけて、隣で笑ってくれたことが嬉しかった。
「………好きだけど、怖い、って、……言ったら、どう、しますか」
私の言葉に、先生の肩が一瞬だけこわばった。
「…先生のことは、好き、です。……た、たぶん、恋愛の、ほうで」
「……Aちゃん?無理はしなくても、」
「無理は、してません…」
一生懸命、想いを、言葉に。
ずっと、気持ちに蓋をしていたこと。
先生の色んな姿を見たい、というのが、学校に行こうと思えた1番の理由だったこと。
抱きしめられたあの瞬間は、混乱していて分からなかったけれど、
____この数日で、気がついてしまったということ。
「…すき、です……、
好きだけど、……そういう関係になるのが、怖いのも、本当です、…ごめんなさい…」
好きなのに、恋愛関係になることが無条件に怖い。
それが私の気持ちの全てだった。
だからこれ以上、話せることはない。
私が下を向くと先生も黙ってしまって、しばらくの沈黙。
___先に口を開いたのは、先生のほうで。
「…うん。ありがとう、…すごく、嬉しい」
感情を抑えるような言い方は、その立場ゆえか、それとも、私の"怖い"という言葉からか。
「……ねえ、君は……どうしたい?
これからの、僕との関係を」
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あきおと(プロフ) - 刹那さん» ありがとうございます…!繋がりました!ちょっとだけ天宮くんにも、夢主の毎日に貢献してもらおうかなと思います!(笑)どっちも読んでくださって嬉しいです、更新頑張ります(^O^) (2017年8月15日 20時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 繋がったああああああ!やった!どっちも読んでる勢としては嬉しい限りです!とても!いつも歌詞さんのかっこよさにときめいてます(笑)更新頑張ってください! (2017年8月14日 20時) (レス) id: df5db280b2 (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - 黒。さん» ありがとうございます…!もうどこまでも夢主を甘やかしていくスタイルなので!!(笑)わたしもこんな先生に出会いたかったです…笑 (2017年8月1日 22時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
黒。 - すごく引き込まれる作品ですね!歌詞さん優しすぎて、夢主ちゃんが羨ましいです…!こんな先生と関係を持ちたいです!(恋愛でもなんでもw) (2017年8月1日 22時) (レス) id: 20fadc7ccf (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - お兄ちゃん大好きさん» お兄ちゃん大好きさんありがとうございます!か、神だなんてそんなことはないですけど、(笑)でもとっても嬉しいです!!よかったらこれからもお願いします(*´-`)更新遅いですが是非! (2017年7月5日 2時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
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