32＊お菓子屋さん、 ページ33
木製のドアをそっと引くと、
からんころん、可愛らしくベルが鳴った。
途端に広がる甘いお菓子の匂い。店内の丸テーブルに、数人のお客さんが見える。
「お！天月くん久しぶり〜、いらっしゃいませ！」
「あんくさん！お久しぶりです、」
ブラウンのエプロン姿で出てきた彼とは、
中学の頃、バンドのイベントで知り合った。
金髪で高身長なのに、威圧感はなく。
不思議な人だ。
「お、隣の子は？
もしかしてそーゆー関係？」
「いやまあ、…普通に彼女です」
「うおー、天月くんいつの間に？！
あ、俺、あんくって言います！初めまして！」
Aに爽やかに右手を差し出すあんくさん。
そして緊張しながらも、笑って握手に応じようとするA。
「ストップ」
すかさず俺の制止が入る。
「え？」
「あんくさんちょっとこっち」
「え？え？」
Aにちょっと待ってて、と告げ、あんくさんを狭い店内の端っこに引っ張った。
「…分かってると思いますけど、あの子、俺の彼女。あなたの『お客さん』じゃないですからね、」
余計なことしたら許しませんから。
念を押して言うと、
先ほどの爽やかさから一変、あんくさんは妖艶に笑って。
「大丈夫。…俺のお客さんはねえ、あんなに可愛らしくないし純粋でもないから。まあ、女は色気っていうか、ね？って痛い！」
俺がでこぴんしたので、あんくさんは額を押さえて涙目になる。かなり痛かったらしい。
あんくさんの『お客さん』。
昼間にやってるこのお菓子屋さんじゃなくて、
夜に経営するホストクラブの。
って、Aには絶対教えないけど。
良い人だし良い店だから、彼女を連れてきた。でも、少し保険はかけておかないと。
「…分かってるなら、握手していいです」
「ありがと天月くん！いけめん！」
とりあえず無視して、あんくさんを引っ張りAの所へ戻る。
「改めてよろしく！んーと、」
「あ、…Aです、初めましてっ」
2人が握手を交わす。それから席に案内してもらった。
荷物を置いて、沢山のお菓子のショーウィンドウを見に行くと、Aは目を輝かせてて。
気に入ってもらえたみたいだ。
○＊・○＊・○＊・○＊・○＊・○＊・○＊
昼はお菓子屋さん、夜はホスト、
あんくさんなら根は真面目だろうけど、それだけじゃないんじゃないかと…(
最近メンズの思考が危ないですが、作者は変態ではありません。(笑)
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イリカ(プロフ) - わ！楽しみにしてます！これからも頑張ってください！！ (2018年6月3日 15時) (
レス) id: 795815d954 (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - イリカさん» そんなことないですよー！今はまだちょっと言えないんですが、本編の終わった直後にそのアイディアがちょうど入れられそうな番外編の構想があるので、楽しみにしていただけたらと思います…！多分月に憧れての方に入るので…！ (2018年6月3日 6時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
イリカ(プロフ) - いえいえ、無理なお願いをしてしまい、本当に申し訳ないです。すみません！これからも楽しく拝読させていただきます！！ (2018年6月2日 23時) (レス) id: 795815d954 (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - イリカさん» 本編に入れることは叶わなそうなので、それは申し訳ないです！> < (2018年6月2日 14時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - イリカさん» ありがとうございます…！リクエストすっっっごく嬉しいです！！実はお話の展開が最後まで固まってしまったところなので、最終回の後に更新する番外編で、そのアイディアでお話書かせてもらってもいいでしょうか…？！私もぜひぜひ書かせてほしいです、、！ (2018年6月2日 14時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
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