47＊「発熱」 ページ9
「なにか、あった、よね」
「ご、ごめんなさい………！それ、間違えて壊しちゃっ…」
言い終わる前に、先生は私のほうに両腕を伸ばした。
「…………ぇ、？」
抱きしめられると思った、
なのにその手は私の肩を優しく捕まえて、
(な、なに_____)
____そのまま、柔らかい仕草で、ベッドに背中を押し付けられた。
腰あたりに掛かる、先生の体重。ベッドのスプリングが、ギシリと軋む音。
驚いて起き上がろうとしたら、やんわりとした制止を受けて、簡単に押し戻されてしまう。
(っ、放してくれない、)
視界には、天井と先生だけが見える。
…初めて目にした、熱を含んで大人っぽい視線。
それでいて、真剣な、表情と。
____あ、キスされる。
甘ったるい空気感に、なんとなくそう思った。
(…伊東先生、なら)
思考の端にそんなことがよぎって、
自分の中に恐怖を押し込んで、目を閉じる。
_____私の唇に先生のそれが、少し強引に押し当てられて、
時間が、ぴたりと止まった。
身体は明らかに怯えていて、自分に触れようとするひとを拒みたがるのに、
心は、先生の気持ちを、
このまま受け入れたい、そう言ってる。
(初めてのキスも、
…先生となら、よかったのに)
感情がごちゃ混ぜになって、また、涙が出てくる。
怖い。嬉しい。悲しい。切ない。
状況にも自分の心にも、追いつけない。
ゆっくり、唇が離れていく。
それから先生は、緊張しきった小さな声で、私に言った。
「…ごめん、怖かった……？」
「……すこし、」
「っ、今度こそ、ほんとに泣かせた、ごめん、」
_____それに、君を守ってあげられなかった。
そう言われて、そんなことない、と必死に首を横に振る。
「わ、私、本当に何にもされてないから…」
「…嘘つくの下手。あのね、"何にもされてない"ってその時点で変だし、
____お願い、教えて。何があったのかも、誰にされたのかも、全部。
もう言いたくないとかそんなの聞き入れてる場合じゃないんだよ、
……守るって約束したんだから、ちゃんと守らせてよ………」
…色々なことに混乱した私は、
何も言えなくなって、黙り込んだ。
____先生の優しさや、まっすぐな気持ちが。
今はとても、とても、苦しいのに。
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あきおと(プロフ) - 桜木さん» 急かされてるなんて全然です！たのしみにしてくださるとモチベが上がります爆上げです笑 とりあえず100話完結の予定になったので、本当に100話で終わるか見守っててください笑 (2018年2月22日 15時) (
レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
桜木(プロフ) - あきおとさん» わわわ超まで付いてる…めっちゃ嬉しいです；▽；愛を叫ぶ桜木です(あきおとさんの作品の歌詞さんは本当に好みで作品自体もホントに好きなので……。ホワイトデーも楽しみに待ってます！急かしてたらごめんなさい;あきおとさんのペースで書き続けてくれたら嬉しいです！ (2018年2月20日 11時) (レス) id: 69ddd43526 (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - 桜木さん» 超覚えました！！いつも愛を叫んでくださるので！！(褒めてます) ホワイトデー早く描きたいなあ…間に合わなかったとしても番外とかで絶対ホワイトデーしますので、その時は是非！笑 (2018年2月20日 1時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
桜木(プロフ) - あきおとさん» わぁぁぁあきおとさん！覚えて頂いて光栄です…!!!( ；∀；)ホワイトデーも楽しみです…！歌詞先生いじわるになっちゃうんですかね〜〜！！今からとっても楽しみにしてます……！ (2018年2月19日 7時) (レス) id: 69ddd43526 (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - 桜木さん» ぁぁぁぁあ！桜木さん、お久しぶりです！(笑) たぶんホワイトデーは、夢主が超接近戦でからかい倒されます() (2018年2月18日 22時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきおと | 作成日時：2017年8月19日 13時
