79＊その手を ページ49
「Aちゃん？大丈夫、具合悪い？」
「あ……だいじょうぶ、なのでっ」
はしやんを家まで送り届けるうち、Aちゃんの口数が徐々に減っていった。
大丈夫とは言ったものの、俯いてしまった彼女を見て、
はしやんは気を利かせてくれたのか、自宅に着いたら速やかに車を降りて。
「んじゃ、歌詞ちゃん、あと頼むな。あんま役に立てなかったけど」
「いやいや！僕らだけじゃあの可愛らしいお店、きっと入れなかったし」
「あー、と…葉月ちゃんも、またな？」
「は、はい！あの、ありがとうございました…！」
＊
バタン、とドアが閉まる。
2人になって車を発進させると、
助手席に座っていたAちゃんの上半身が、途端にふっと崩れ落ちた。
「ん。よく頑張った、急いでどっか停まるね」
「………、っ、」
彼女なりの、はしやんへの気遣い。
心配をかけまいと、必死で表情を保っていたんだと思う。
_____昨日のことがあっての、今日だから。
(気分転換にと思ったけど、失敗だったかも…)
適当に駐車したコンビニで、彼女の背中をさすって、声をかけてみる。
「吐きそう？気持ち悪い？」
「きもちわるい、でも、…少し休めれば、たぶん」
「なんか飲みもの買ってこよっか、」
「______ないで、」
「え？」
「…まだ、行かないで……」
腰を浮かせた僕のシャツを、くっと掴んで引き止めたAちゃんの身体は、
____やっぱり、震えていた。
僕はその指を守るように、両手で彼女の手を包み込んだ。
「…どこにも行かないよ、僕は」
「あ、……」
ごめんなさい。今度は唐突に謝られる。
____不安なんだろう。
優くんのこと、僕のこと、久々にはしやんと会ったこと、これから会うご両親のこと。
入ってくる情報が多すぎて、彼女自身も追いつけてないんだと思う。
(ごめんね…考えが至らなかった、)
「しばらく、休憩しよう。君が落ち着いた頃に、ご両親のところ行こう」
「あの、ひとつだけ、お願いが…」
「ん？なあに、なんでも聞くよ」
「…もし、できるなら、」
____もう少しだけこの手を、
繋いでいて、くれませんか。
(…それは、)
僕のこの手が、ちゃんと今の君の支えになれてるってこと、かな。
「もちろん。幾らでも」
小さな手を優しく握ると、
彼女も安心したように、僕の手をぎゅっと握り返してくれた。
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あきおと(プロフ) - 桜木さん» 急かされてるなんて全然です！たのしみにしてくださるとモチベが上がります爆上げです笑 とりあえず100話完結の予定になったので、本当に100話で終わるか見守っててください笑 (2018年2月22日 15時) (
レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
桜木(プロフ) - あきおとさん» わわわ超まで付いてる…めっちゃ嬉しいです；▽；愛を叫ぶ桜木です(あきおとさんの作品の歌詞さんは本当に好みで作品自体もホントに好きなので……。ホワイトデーも楽しみに待ってます！急かしてたらごめんなさい;あきおとさんのペースで書き続けてくれたら嬉しいです！ (2018年2月20日 11時) (レス) id: 69ddd43526 (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - 桜木さん» 超覚えました！！いつも愛を叫んでくださるので！！(褒めてます) ホワイトデー早く描きたいなあ…間に合わなかったとしても番外とかで絶対ホワイトデーしますので、その時は是非！笑 (2018年2月20日 1時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
桜木(プロフ) - あきおとさん» わぁぁぁあきおとさん！覚えて頂いて光栄です…!!!( ；∀；)ホワイトデーも楽しみです…！歌詞先生いじわるになっちゃうんですかね〜〜！！今からとっても楽しみにしてます……！ (2018年2月19日 7時) (レス) id: 69ddd43526 (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - 桜木さん» ぁぁぁぁあ！桜木さん、お久しぶりです！(笑) たぶんホワイトデーは、夢主が超接近戦でからかい倒されます() (2018年2月18日 22時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきおと | 作成日時：2017年8月19日 13時
