【番外編】2.14【その3】 ページ46
食後のブラックコーヒーは、ほろ苦い、先生の好きな香り。
私の前には、甘い香りの紅茶。
にがくて、あまくて、そんな空気に、
緊張が混ざって、溶けていく。
「あの、…私から、プレゼントが、あって」
「…うん、」
震える手で、ラッピングのリボンを崩さないように、ちいさめの袋を手渡した。
「ガトーショコラ、です。
結構にがめのやつ、…先生、甘いの苦手って言ってたから」
「…へえ、そんなことまで考えてくれたんだ」
先生が、嬉しいよとか、好きだよとかを言えなくなってしまうのは、
決まって、余裕がないときだ。
(緊張してるの、私だけじゃなかった)
くすり、思わず笑みをこぼすと、先生はその意味を理解したらしく。
「…きみさあ、だんだん僕に似て、賢くなってくるのやめてくれないかな…」
「先生、いつもみたいに、目…見てくれないんですか、」
「……ホワイトデー覚えとけよ…」
_____謎の宣言をされ、それを無視して先生に、
『自信はないですけど、』と開封を促した。
「…おお、これが女子力」
「ええ…？」
「ふ、ごめん、嬉しくて」
だけど、表情で、わかる。
すごく嬉しいって、幸せって、
冗談言ってる余裕なんか、ホントはないよって、そんな顔をしてる。
「美味しそうだし見た目も可愛いね、ありがとう。大事に、いただきます、家に帰って」
「あ、でもあの、先生たくさん貰ってましたし、無理せず…」
「君から貰ったのしか食べるつもりないし」
「え、」
「付き合ってるんだから当然でしょ？」
＊
「僕からは、これ」
中身が見えるよう上部分が透明になっている、小さな小さな箱を受け取ると、
それは、ピンク色のバラが一輪咲いた、綺麗なヘアピンだった。
「…海外では、バレンタインには男性がバラを1輪贈って、『あなただけだよ』って示したりする…らしいんだけど。
流石にお店でやる勇気なかったから、これ」
「わ…、ありがとう、ございま___」
ふいに先生の両手が、箱を持っている私の両手を包み込むように、重ねられた。
「つまりさ、……そういう意味だから、」
「つけるときは、僕のこと思い出して」
ね？って、顔を覗き込まれる。
やっぱり敵わないな、先生には。
「…先生、すきです」
「だ、だから、不意打ちやめてってば！」
＊2.14→Happy Valentine's Day！＊
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あきおと(プロフ) - 桜木さん» 急かされてるなんて全然です！たのしみにしてくださるとモチベが上がります爆上げです笑 とりあえず100話完結の予定になったので、本当に100話で終わるか見守っててください笑 (2018年2月22日 15時) (
レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
桜木(プロフ) - あきおとさん» わわわ超まで付いてる…めっちゃ嬉しいです；▽；愛を叫ぶ桜木です(あきおとさんの作品の歌詞さんは本当に好みで作品自体もホントに好きなので……。ホワイトデーも楽しみに待ってます！急かしてたらごめんなさい;あきおとさんのペースで書き続けてくれたら嬉しいです！ (2018年2月20日 11時) (レス) id: 69ddd43526 (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - 桜木さん» 超覚えました！！いつも愛を叫んでくださるので！！(褒めてます) ホワイトデー早く描きたいなあ…間に合わなかったとしても番外とかで絶対ホワイトデーしますので、その時は是非！笑 (2018年2月20日 1時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
桜木(プロフ) - あきおとさん» わぁぁぁあきおとさん！覚えて頂いて光栄です…!!!( ；∀；)ホワイトデーも楽しみです…！歌詞先生いじわるになっちゃうんですかね〜〜！！今からとっても楽しみにしてます……！ (2018年2月19日 7時) (レス) id: 69ddd43526 (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - 桜木さん» ぁぁぁぁあ！桜木さん、お久しぶりです！(笑) たぶんホワイトデーは、夢主が超接近戦でからかい倒されます() (2018年2月18日 22時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきおと | 作成日時：2017年8月19日 13時
