【番外編】2.14【その1】 ページ44
「「かしたろーせんせーっ♡」」
「先生、チョコ受け取ってください!」
「教卓に置いてった子もいるけど、直接渡したくって」
「日頃の感謝です、嘘です大好きです」
「っあ、ありがとう、だけどごめんHR始まっちゃうから1人ずつ並んでもらっていいかい…?!」
____教室に着くと、伊東先生が女の子たちに囲まれていて。
頭2つぶんほど抜けた背の高い先生は、私を見つけ、苦笑いで口だけを動かした。
『お は よ う』
(…せ、先生、いま注目されてるのに)
相変わらず危なっかしい、特別扱い。
…本当は嬉しいけど、私は浅く会釈だけをして、自分の席に一直線。
誰かにバレたら、大変なことになる。
____そして、カバンはいつもより慎重に持ち歩いていることも、誰にも秘密だ。
先日、私が『14日に渡したいものがあって、』と言ったら、『僕も』とさらりと言われて約束を取り付けられた。
『"渡したいもの"、学校に持ってきてくれる?…っていうのは、
その日の仕事終わらせておくから、放課後そのまま食事に行きたいんだけど…2人で』
……私はもう、緊張しかなかった。
ろんちゃんに手伝ってもらって、初めてプレゼント用のお菓子作りをしたんだけど、
ガトーショコラ、先生の好みに合わせて甘さを控えめにしたそれと、
可愛らしいメッセージカード、とても悩んだラッピング、
それが、教卓に広げられている沢山のチョコレートたちに、敵う自信なんて全くなくて。
(毎年、あんなに、貰ってるのかな…)
女の子たち一人ひとりにきちんと『ありがとう』を言いながら、伊東先生がチョコレートを受け取っていく。
「先生って、彼女とかいないんですかー?」
「いません。女性苦手なの、知ってるでしょ」
「えー、でも義理しか受け取ってくれないじゃんっ」
「それは学校からの指示」
「じゃあ好きな人は?先生奥手だから、アプローチできなさそう」
「失礼な!……まあ、そうね、好きな人に関しては、否定しないかな〜」
「「え!!!」」
突然の発言に、
私もびっくりして、教卓の方を向いた。
_____意味深長に目を伏せた彼は、大人の笑みを浮かべている。
「うっそ、意外!!」
「年上?年下?うわー、ぜったい可愛いんだろうなあ〜」
「先生、どんな人ですかっ!?」
「それは、秘密。
でも僕にとっては、誰よりも素敵な女性だよ。みんなに自慢したいくらい、ね」
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あきおと(プロフ) - 桜木さん» 急かされてるなんて全然です!たのしみにしてくださるとモチベが上がります爆上げです笑 とりあえず100話完結の予定になったので、本当に100話で終わるか見守っててください笑 (2018年2月22日 15時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
桜木(プロフ) - あきおとさん» わわわ超まで付いてる…めっちゃ嬉しいです;▽;愛を叫ぶ桜木です(あきおとさんの作品の歌詞さんは本当に好みで作品自体もホントに好きなので……。ホワイトデーも楽しみに待ってます!急かしてたらごめんなさい;あきおとさんのペースで書き続けてくれたら嬉しいです! (2018年2月20日 11時) (レス) id: 69ddd43526 (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - 桜木さん» 超覚えました!!いつも愛を叫んでくださるので!!(褒めてます) ホワイトデー早く描きたいなあ…間に合わなかったとしても番外とかで絶対ホワイトデーしますので、その時は是非!笑 (2018年2月20日 1時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
桜木(プロフ) - あきおとさん» わぁぁぁあきおとさん!覚えて頂いて光栄です…!!!( ;∀;)ホワイトデーも楽しみです…!歌詞先生いじわるになっちゃうんですかね〜〜!!今からとっても楽しみにしてます……! (2018年2月19日 7時) (レス) id: 69ddd43526 (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - 桜木さん» ぁぁぁぁあ!桜木さん、お久しぶりです!(笑) たぶんホワイトデーは、夢主が超接近戦でからかい倒されます() (2018年2月18日 22時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あきおと | 作成日時:2017年8月19日 13時