歌に愛されて。2【伊/東/歌/詞/太/郎】

【番外編】補習授業【あの2人】 ページ38

「はい、できた！」



「主語と述語が合ってない。はい、もう一回」



「…こ、こう？」



「なんでそこが"しかし"なの。文脈おかしいでしょ、はい、やり直し」



「………こうか！！」



「うんオッケー、じゃあ次。応用の文章題、これ今から15分で解いて。終わらなかったら終わらせた上であと3題、終わったらもう1題で別の課題いくから。はい、スタート」




「いやちょっとマジで俺だけ鬼畜すぎない？！」


「無駄話しない。喋ってる暇があったら手を動かしてくれる？」




にこり。このひと鬼教師だ、マジで。






…天宮翔太、ただいま、絶賛補習中。



先日、俺が要らんことを喋ってしまったのが原因で、

現在進行形で歌詞先生の怒りを買っている。





先生は他の生徒に課題を出して解説しながら、問題を解かせている間に俺に付きっきりになって、ずっとこの調子でタイマー片手に容赦なく課題を出してくる。




…去年より明らかにやばい問題量。

しかも難しすぎるやつじゃなくて、ちょっとだけ解くのに苦戦するような…そう、"出来てしまう"ような絶妙レベルの問題を、これまた現実的な時間設定で解かせてくるから困る。




お手上げとは言えない、でも簡単とも言えない。

根を上げられないなか、脳みそフル回転で日本語の羅列と向き合う1時間半は正直、割と地獄_______




「天月くん、なに…最中に考えごと？ずいぶん余裕だねぇ…」


「ちょっと、語弊！！やめろ！！！」


「ふふふ、日本語は難しいんだよ…？」





歌詞先生が俺に(意味深に)囁きながら詰め寄ってきて、周囲の生徒がきゃあ！ひゅー！と騒ぎだし……



「ちょっとまって！！おかしい！！おかしいから！！！」




俺が椅子のまま身体を後ろにそらすと、歌詞先生は笑顔を崩さずに。



…目の前に、残り5分のタイマーを突きつけた。



「はい茶番終わり。

ところで、もうちょいで15分経つんだけど…終わらないどころかお喋りに考えごと、まあ当然だけど問題追加だよね。はい、今からこっち3題プラスもう1段階あがって5題。あと30分」





「ねえ今のって俺が悪いの？！おかしくない？！！？」






「天月くんならできるよね？大丈夫、君のことは信頼してるから…、

てことで部活行きたかったら、もうちょっと頑張ろうか、ねえ？」





「もう勘弁して！！！」







○＊・○＊・○＊・○＊・○＊・○＊・○＊・



ああ、泣く描写ばっかりだと疲れるんです、


…たのしすぎた！！！()

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