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〜樹side〜
授業が始まってからは
ほとんど会話をすることは無かったけど
各自でワークをやれという先生の指示で
とりあえず穴埋め問題を書き込む
教科書とほぼ一緒だから
俺でもスラスラ書ける
演出問題で詰まって
Aちゃんに
ここ、わかる？
と聞いた
わかんないって言われたけど(笑)
ほんとになんにもわかんないみたいで
解答欄は俺と同じで真っ白
北斗ならわかるかな、と言うと
バカにされそうじゃん、と言ったAちゃん
俺もそれに乗って北斗の悪口(？)を言い合ってると
北斗「全部聞こえてるから」
と言われてAちゃんの方を見ると
『げっ』という顔をしていた
北斗はなんだかんだ優しいから
ちゃんと教えてくれたんだけど
それでもわかんない俺を
Aちゃんは揶揄う
酷い、と言いながら
内心、揶揄われるくらいの仲になれたんだって
ちょっと嬉しかった
その後北斗に
明日雪降りそう
とか
熱出た？
とか
色々言われたけど
Aちゃんに怖がられたくないから
なんて言えるわけない
．
少しだけ早く授業が終わって
北斗と話してると
隣で眠そうにしていたAちゃんの頭がガクッと揺れたかと思うと
痛そうに手を抑えた
大丈夫？と聞くと
本人は、大丈夫だと言ったけど
ぶつけた手の甲から血が出てた
北斗もそれに気付いたらしく
ガサゴソと筆箱から絆創膏を取り出し、Aちゃんに渡す
Aちゃんは受け取った絆創膏を貼ろうとしてたけど
利き手を怪我したからか貼りにくそうで
『ね、松村貼って』
と北斗に貼ってもらっていた
めんどくせえと言わんばかりの表情をしたけど
綺麗に絆創膏を貼る北斗
怪我した妹に絆創膏貼ってあげるお兄ちゃんに見えたのは
ここだけの秘密ってことで(笑)
一時期付き合ってるって噂もあったみたいだけど
俺には兄妹に見えて仕方ないんだよな
．
部活の時間になって
流石に眠気が襲ってきて
ちょっとの休憩でも意識が飛びそうになったし
帰りの電車は寝過ごすとこだった
帰宅してシャワーだけ浴びて
髪も乾かさずに晩ご飯も食べずに
そのまま眠って
また5時半に起きる
髪乾かさなかったからか寝癖が酷い
直そうと頑張ってみたけど
なんかここだけ直んねえし
朝練終わってから直そうと
そのまま朝練に向かった
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作者名：林檎 | 作成日時：2020年10月15日 17時
