▽ ページ36
「あ、broooock。来たね。」
「それで、言いたいことって？」
「シャークんが、なんで、お前を忘れたのか。」
それを聞いて、何になるの。
彼が思い出してくれる訳でもないのに。
...余計に、辛くなるだけなのに。
「シャークんはね、’’忘愛症候群’’っていう奇病なんだよ。」
「なに、それ。」
「......好きな人の事を、忘れる病気。」
好きな人を忘れる？
そんな病気があるの？
...なら、それなら。それなら、彼は。
「...僕が、好きだったって事...？」
ぽろりと口から零れ落ちる。
それを理解した瞬間、我慢し続けていた涙が、ついに目から零れ落ちた。
嗚咽を噛み殺して、両手で涙を拭う。
それでも拭いきれないほどの涙が、目から溢れ続けた。
「...なに、それ...っ、」
「broooock...？」
心配するなかむの声も、今は耳に入らなかった。
何だよ、それ。
好きだった、なんて。
それこそ、もう過去の話じゃないか。
今はもう、覚えてないのに。
...僕だって、好きだったのに。
「ようやく...実ったのにさ...っ、」
なんで、覚えてないの。
なんで、忘れちゃったの。
どうして...それが、君じゃないといけなかったの...？
「好きだよ...僕だって...シャークん...っ、」
彼の名前を呼んだって、彼が思い出してくれる訳じゃないのに。
緑色を求めたって、もう叶わないのに。
＿いっそこのまま忘れてしまえたら、楽だったのに。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
我はおーるすたーさん、リクエストありがとうございました！
忘愛症候群ネタの話がこれで4個目ですね...。
皆さん忘愛症候群ネタ好きなんですかね？
私は好きです(隙自語)
ネタが被らないように頑張りました...！
ご期待に添えたかは分かりませんが、楽しんで頂けたら幸いです！！
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作者名：ローゼ | 作成日時：2019年6月22日 7時
