白尾さん達の恋模様3【BL】 (ページ25)

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記憶 sm→？ページ25

スマイルside

※軍パロ
『』で話されてるのは過去の台詞です

気づけば、白い部屋に居た。
嗅ぎなれない薬品の臭いが、鼻腔を擽る。
俺の周りは、何故か騒がしかった。

「スマイルっ！」

誰かが、俺の手を取った。
それは、水色の彼だった。

「良かったぁぁ...。」

誰かが、1粒涙を流した。
それは、青色の彼だった。

「心配させやがって...。」

誰かが、俺の頭を小突いた。
それは、緑色の彼だった。

「でもほんと、目覚めて良かったよ。」

誰かが、俺に笑いかけた。
それは、黄色の彼だった。

あぁ、あいつらだ。
ずっと一緒に過ごしてきた、あいつらだ。
そう思うと、自然と笑みが零れた。
...けれど少し、何故か足りない気がした。

「...なぁ」
「ん？何？」
「誰か...居なくないか？」

誰かが、居ない気がしたんだ。
もう1色、足りない気がした。
それを言えば、彼らは少し気まずそうに目を逸らした。
それが少し、心に引っかかった。

なか「あ～えっと、スマイル。」
「？どうした？」
なか「と、とりあえず、体動かそ！ね！」
「え？いや...別に...。」

明らかに何かを隠した様子で誤魔化そうとする。
なんでそんなに隠そうとするのかが分からない。
言い難いことなんだろうか。
それなら、無理して聞かない方がいいかな。

きり「ダメだよ、スマイル。ちゃんと体動かさないと。大分長い間眠ってたんだから。」
「そうなのか？ていうか、長い間ってどれくらいだ？」
きり「1年間。」
「はぁ！？」

どうやら、俺は眠る前の戦争で撃たれて眠っていたらしい。
しかも、1年もの間。
軍医のきりやんが言うんだし、体は動かさないとダメか...。

なか「街とか歩いてきたら？1年前とは少し変わってたりするよ。」
「...そうする。」

1年前の戦争...。
俺はどうして撃たれたんだろうか。
確かに他の奴に比べたら戦闘は得意じゃないけど、それでも簡単に撃たれるような事はなかった筈だ。
...なら、どうして？
記憶の中を探ろうとしても、霧がかかっているような感じで、思い出せない。
何か足りない、そんな違和感を感じながら、街を歩いた。