白尾さん達の恋模様3【BL】 (ページ12)

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「なんで、なかむは俺に優しくしてくれるの？」

ふと、気になったんだ。
だから聞いた。
そしたら彼は、「好きだから」なんて、照れもせずに言って。
また、涙が零れた。
...泣いてばっかだな、俺。
そして彼は、支えてくれると言った。
隣に居るって、言ってくれた。
お礼の言葉の代わりに俺の口から出てきたのは愛の言葉で。
彼は、笑いながら

「じゃあ、付き合おっか。」

なんて。
断る理由なんて無かった。
だって好きだったから。

彼が隣に居てくれるなら、こんな世界でも楽しいと思えた。
彼がいるだけで、灰色だった世界が色づいたから。

彼のお陰で笑えるようになった。
彼といると、忘れていた筈の笑い方も思い出せたから。

「きんときの笑顔、俺好きだよ。」

彼が、そう言ってくれたから。
笑えるようになった。
辛い事があっても。
どれだけ親に殴られても。
嫌がらせを受けても。
彼がいるから、笑えるようになった。

＿だから、今だって大丈夫。
いつも俺を虐.めてくる奴に呼び出されて、殴られて、蹴られて。
満足したのかそいつらはいなくなった。
大丈夫。...大丈夫。
なかむがいるから、大丈夫。
笑っていなきゃ。
彼が、笑顔の方が好きだと言ってくれたから。
笑顔でいなきゃ。
目の前が滲んでいるのなんて気の所為だ。
彼奴がいれば、俺は笑えるんだ。
だから...笑っていなきゃ。

「＿きんとき！？」

あぁ、最悪だ。
こんな所、見られたくなかった。
また、心配かけちゃった。

「っ...彼奴等...！」

なかむは手を強く握りしめた。
怒ってるんだ、俺の為に。
血が出そうな程爪をくい込ませて、彼は拳を握りしめる。
...やめてよ、傷がつくだろ。
その綺麗な肌に、傷がつくだろ。
傷つくのは、俺だけでいいだろ。
俺の体の傷だって、なかむがいれば平気になれるんだから。
だから...泣かないでよ。