白尾さん達の恋模様【BL】 (ページ29)

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そう書いたメモをみんなに見せて、1つのテープレコーダーを差し出した。
それを聞くと、懐かしいきんときの声。
みんな、嬉しそうに笑っていた。
そりゃそうか。大好きな、彼の声だもん。
優しくて、明るくて、聞くと安心出来る声。
1人1人へのメッセージ。
皆、的確な事を言われていた。
スマイルには、告白だった。
あぁ、これを聞かせたんだなぁ、なんて1人で納得する。

「おめでとう。」

満面の笑みを浮かべて2人に言うと、「ありがとう。」と、笑顔で返してくれた。
俺が祝福すれば、他の3人も口を揃えて、2人を祝っていた。
きんときは、とても、幸せそうだった。
彼は喋る事が出来ないから、何を言いたいのかは分からないけれど、それでも、あの笑顔が、とても輝いて見えた。

シャ「なかむ？...なんで、泣いて...。」

シャークんが心配そうな顔で俺の顔を覗き込んだ。
え、泣いて、なんか...。
頬に触れるとそこは確かに濡れていて、視界もいつの間にか濁っていた。

あれ、泣いてる...？
な、んで？

なか「あ、ごめん。なんでだろw」

急いで涙を拭ってそう言えば、「大丈夫か？」なんて声をかけられる。
「大丈夫」と返せば、皆聞くのをやめた。
きんときは、心配そうな顔でじっと俺を見つめていた。

ｽﾞｷﾘ

？

ｽﾞｷﾘ

また、

ｽﾞｷﾘ

心が痛む音。

＿＿あぁそっか、俺、きんときが好きだったんだ。
きんときの笑顔が好きだった。
きんときの優しい声が好きだった。
誰よりも俺の異変に早く気づいてくれて嬉しかった。
傷ついた時も、そっと隣にいて、慰めてくれた。
俺にとって、大切だった思い出にはいつもきんときがいた。
好き。そう、好き。
あぁ、好きだったんだ。
もう、遅いのに。
なんで、今自覚すんだよ。
周りの声で掻き消されるほど小さな声で、もう一度呟いた。

「おめでとう。」

＿おめでとう。好き、だった人。
久しぶりの涙は、少しだけ苦くて、しょっぱかった。

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思った以上にこの軍パロ長くなっちゃった...。
作者はこの話結構気に入ってはいるんですけど、何せ少し前に書いた話だから文章が変な所が多いと思いですね...。