白尾さん達の恋模様【BL】 (ページ27)

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声を、聞きたい...か。
あ、そうだ。
たしか、あの戦いの前に録音した遺書(？)があったはず。
それが聞ければ、俺の声も、聞けるはず。
そう思って部屋を出た。
自分の部屋に着くなり棚を漁って、テープレコーダーを探す。
少しして、箱が見つかり、その中にテープレコーダーも入っていた。
その箱ごと持ってスマイルの部屋にもう一度向かう。

スマ「え、ちょ、きんとき？」

戸惑った声でそう言われたけど無視して、テープレコーダーを差し出した。

スマ「聞けって事？」

スマイルの質問に1つ頷けば、スマイルはそれを再生しだした。
たしか、1人1人にメッセージ的なの言ったんだよな。
スマイルには何て言ったっけ？

＿あれ、スマイルに向けて言ったのって告白...じゃなったっけ？
どうせ死んでから見せるもんだし、別にいいやと思ってたんだった。
予期せぬ形で思いを伝える事になるとは...。
顔が紅潮して行くのが分かった。
そろそろ、かな。
スマイルの表情が変わる。
「...ぇ。」
小さな、戸惑いの声。
引かれて、しまっただろうか。
少ししてスマイルは、大粒の涙を流し始めた。
そして後ろを振り向くと、じっと俺を見つめた。
こうなりゃ、覚悟を決めろ。

きん［実際に、言えないのが残念だけど。スマイル、大好き。愛してる。］

そう書いたメモを渡した。
’’愛してる’’の文字は、手が震えて、少し汚くなってしまった。

スマ「＿＿ッ！俺、も、大好き。」

涙を零しながら、掠れた声で絞り出すように伝えられた愛の言葉。
’’大好き’’その言葉だけで、とても幸せ。

きん「＿ぁ＿ｼ、ぅ」

言葉とも言えないその’’愛してる’’は、彼に届いたようで。
「俺も、愛してる！」そう言いながら、抱きつかれた。
抱きついてきた彼の体は、細くて、暖かかった。
俺は、少し笑って、この温もりを二度と離さないように、強く、強く抱き締めた。

＿部屋の中は、花壇に咲いた薔薇の花の香りでいっぱいだった。