白尾さん達の恋模様【BL】 (ページ25)

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きんときside kn→sm ページ25

「お願い」のきんときsideのお話です。

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［スマイル、大丈夫か？］

さっきからボーっとしているスマイルに向けて、メモを見せる。
数年前、声帯を切って、声が出なくなってしまったから、直接言うことが出来ず、いつもメモ帳に書いて、要件を伝えている。
まぁ、後悔はしてない。
好きな人を守った、名誉の負傷ってやつだ。
彼の身を守れるなら、声くらい安いもの。
その白くて綺麗な肌に傷が付くのは、なんだか勿体ないだろう？

スマ「大丈夫だ。ちょっと、ボーっとしてた。」
きん［何考えてたんだよw］
スマ「ちょっとな。」

こんな会話(？)が楽しくて、自然と笑みが零れる。
メモ帳に書いては渡して、そうして会話を紡いでいく。
俺は別に気にしてないけど、やっぱりスマイルは気にしているようで、俺がメモを書く度に、少し悲しそうな表情を見せる。
...気にしないで、欲しいのに。

スマ「俺、そろそろ仕事戻んないと。」
きん［分かった。夕食になったら呼びに行く。］

スマイルと別れた後、自室に向かう。
生温い風が、なんだか気持ちよかった。
書類を片付けていると、あっという間に時間は過ぎて、そろそろ夕食の時間。

きん(今日は、なんだっけ。あ、ハンバーグだ。そろそろスマイル迎えに行かないとな。)

スマイルを迎えに、部屋を出る。

ｺﾝｺﾝｺﾝ＿

ドアをノックすれば、「開いてるぞ。」なんて声が聞こえた。
ドアノブを回して部屋の中に入る。
スマイルは俺の顔を見るなり、少し嬉しそうな顔をした。
理由は分からないけれど、凄く嬉しかった。

きん［今日は、ハンバーグらしいぞ。］

メモを書いてスマイルに渡す。
「へぇ...。」なんて興味のなさそうな声が聞こえた。
少しすれば食堂に着いて、もう既にみんな揃っているようだった。