白尾さん達の恋模様【BL】 (ページ19)

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▽ ページ19

「先生が、好きだからで＿＿」

ポロリと口から零れ落ちた愛の言葉。
こんな時に言うつもりじゃ無かったのに。
言わないままで、終わるつもりだったのに。

「えっと...、好きって、やっぱそっち？」

戸惑いつつも聞いてくる先生の瞳は揺れていて、それですら、綺麗だなぁ、なんて。
直ぐに惚気ようとする思考を停止して、1つ頷いた。

「っあ～...。まじかぁ...。」

顔を両手で抑えて、そんな声を漏らす。
やっぱり、迷惑ですよね。
生徒から、しかも男からの告白なんて。

「っ、ごめんなさ...」
「中村、」
「...はい。」

どうせ、振られるんでしょ。
分かってますよ。
一切の未練も残らないくらい、盛大に振ってくれ。

「あのさ、まずは、ありがとう。」
「...はい。」

お礼の言葉なんて、要らないよ。
さっさと振って、終わらせて。
さっきから痛いんだ。
ずっと。
涙が出そうなのだって、必死に抑えてるのに。

「でもさ、俺は先生だし、お前は生徒だろ？
だから＿＿＿」

ほら、やっぱり。
先生は、先生で。
俺は、生徒だから。
その距離は、決して変わらないから。
だから、無理だと言うんでしょ？
分かってるよ。
分かってますよ。先生。

「だから＿＿卒業したらもう1回、言ってくれるか？」
「え？」

続けられた言葉は、俺が思っていたものとは180度違くて。
困惑した言葉が口から漏れた。

「卒業したら、先生と生徒っていう関係は、無くなるだろ？」

いつもと同じ、優しい笑顔を浮かべた先生は、いつもより綺麗で。
震えた声で、返事をした。
必死に涙を拭う俺の頭を撫でる先生の手つきは優しくて、その手は、暖かかった。

＿先生、狡いです。
そんな、期待させる様なこと言ったら、
期待させる様な素振り見せたら。
もっと好きになるじゃないですか。
また、授業に集中出来なくなるじゃないですか。
ずっと、好きになっちゃうじゃないですか。
＿＿＿＿
＿＿
＿

「＿＿先生、好きです。
あなたが好きです。
年の差はあるけれど。
先生と生徒という立場だったけれど。
...それでも、あなたを愛してるんです。」

2度目の告白をした桜の舞う日。
それは俺達にとって、最高の記念日。