白尾さん達の恋模様【BL】 (ページ2)

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シャークんside

夕焼け空に照らされる少し冷たい廊下を歩いた。
部活終わりなだけあってちょくちょく人とすれ違う。
自分の教室からは少し離れた、彼の教室に向かった。

「broooock、お待たせ。帰ろ...って...おい。」

教室に入って、部活終わりまで待ってくれていたbroooockに話しかけると、返事がない。
机に広げた参考書もそのままに、安らかな寝息を立てている。

「おい、broooock。起きろ。下校時刻もうすぐだぞ。」

彼に話しかけながら揺さぶっても全く起きる気配がない。
こちとら2人きりってだけで心臓うるさいってのに。
こりゃどうしようか。

(それにしても...やっぱ整ってるよなぁ...。)

未だに安らかな寝息を立てているbroooockの顔を覗き込むと、やはりとても整っている。
鼻は高いし、まつ毛も女子かってくらい長い。
時間が無いのに、もう少しこの空間を堪能していたくて、彼の茶髪に手を伸ばした。
少しくせっ毛気味の髪はふわふわしていて、撫で心地がいい。
起きて欲しいけど、起きて欲しくない。
もう少し、2人でいたい。
もう少し、このままでいたい。
そんな矛盾した気持ちが何故か心地よくて。
まだ起きない事を願って、彼の頬に口を付けた。

「好き...。」

この言葉を、このたった2文字を、彼が起きている間に言えたなら、どれだけ良かったんだろう。
熱くなった顔を隠すように、俺は教室を飛び出した。

＿鏡に写った自分の顔は、これ以上無いくらいに真っ赤で、心臓はどくどくと、激しい音を立てていた。

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(っ、くりしたぁぁあ！！何あれ！可愛すぎるでしょ！)

1人きりになった教室で、赤い彼が悶えていた事に気づくのは、もっとずっと、先のお話。