70話 ページ24
玄関を開けるといい匂いがした。
きっと疲れてるんだ、きっとそうだ。
だって、ここにいる訳ない、、
リビングのドアを開けると、ドス君が居た。
『、、何で、、』
「そろそろ貴方が私に会いたくなるころかと思いまして」
一番会いたくて、会いたくなかった人。
ドス君は、こちらを見て愉しそうな顔をしていた。
私はコートから銃を出し、構えた。
ここでドス君を殺せば、この苦しみから解放されるのかな?
『分かんないよ。ねぇ、ドス君、、私、、どうしたらいい?』
手先は震え、銃を持つのもままならなかった。
あれ、私、何でこんなに迷ってんだろ、、?
早く殺さないと、そう思い、引き金に手をかけたところだった。
ドス君は、何の躊躇もなく椅子から立つと、こちらまで来て私をそっと抱きしめた。
「大丈夫ですよ」
子供をあやす様な優しい声だった。
手から銃が落ちる。
『___ッ』
溢れ出でた感情は止まることを知らない。
『もう、、やだ、、辛いよ!、、なんで、、なんでこんな、、、異能力なんて欲しくなかったよ!!』
『こんな思いするぐらいなら、初めから、生まれてこなければッ!!』
ドス君は嫌な顔ひとつせず泣き叫ぶ私を撫でてくれた。
『もうやだ、、誰か、助けてよ、、』
そう言うとドス君は人差し指で私の顎を上に向かせた。
アメジストの様な瞳が私を捉える。
『___ッ、ドス君、、?』
「もう、大丈夫ですよ」
「僕が、貴方を救ってみせます」
あぁ、もうだめなんだ。
この人が居ないと、もう、私の心は、、
ごめんね、ポートマフィアの皆___
______私の心はもう、
______どうしようもないほどに、
______この人に絆されてしまってたみたいだ。
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akaringo(プロフ) - 真夜さん» コメントありがとうございます!!大好きな作品なんて光栄です!! (5月8日 0時) (レス) id: 4f382ebc4e (このIDを非表示/違反報告)
真夜 - 最後の『О, как я счастлив.』の意味を調べて一人で喜んでました。大好きな作品です。完結おめでとうごさいます。 (5月7日 18時) (レス) @page28 id: b9cec51391 (このIDを非表示/違反報告)
るみ(プロフ) - ああああああああああああ好きです好きです好きです好きです好きです!!!!!!!!!最高すぎます!!!!!主様ありがとう!!!!!!! (4月16日 18時) (レス) @page24 id: 0417e46c9c (このIDを非表示/違反報告)
akaringo(プロフ) - リムル=テンペストさん» コメントありがとうございます!こちらこそこの作品を読んでいただきありがとうございました!☺️ (4月13日 16時) (レス) id: 4f382ebc4e (このIDを非表示/違反報告)
リムル=テンペスト - 一気読みしました最高でした 書いていただき有難う御座いました (4月13日 16時) (レス) @page29 id: 93fa3720ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:akaringo | 作成日時:2023年10月22日 16時