67話 ページ21
それから2年して、ふらりと立ち寄った駄菓子屋に彼女は現れた。
あの日から、随分背も伸びたようだった。
あどけない顔は、少し大人びた綺麗な顔立ちになっていた。
一つ変わらないのは真っ黒な瞳だった。あの頃よりと濃くなっているようにも見える。
「A様は何を買われるんですか？」
『チョコ』
「私も同じものを(ん"がわ"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ")」
買い終わったあと、彼女は先に部下を帰らせて、こちらまで来た。
『こんにちは＿＿江戸川乱歩さん。』
『少し、お話でもしましょうか、」
話し出した彼女は全てを見透かすような目をしていた。
こっちのことはなんでも知ってる、ってことか、
今日は社長にも与謝野さんにも言わずに来ちゃったからな、少しまずいな。
『質問したいことがあります。』
「、何だい？」
『あの日、なぜ私に嘘をついたんですか？』
少し身構えたが、彼女は、怒っているわけでも、悲しんでいるわけでもなく、ただ、純粋に疑問に思っていることを問いかけたようだった。
「、、、君が、、傷つかないためだよ」
彼女は何を言っているか分からない、という表情で僕を見つめた。
『そぅ、、ですか、、』
『私が、、傷つかない、、ための、、』
一人、僕の言うことを何度も反復している姿を見て理解した。
この子は、感情が欠けているんだ。
貧困、両親の精神障害、虐待によって感情が欠けて育ってしまうということは、聞いたことがある。
この子の場合は、育った環境かな。
「A、君の本当の名前であってるね。」
「僕のことは好きに呼ぶといい。」
『なんですか、急に、』
「困ったことがあれば僕を頼りなよ」
彼女、いや、Aは頼ると言う言葉にぴくりと反応した。
『日々、犯罪を重ね、生きることさえ罪である私に、あなたを頼る権利も義理もありません。』
そう言うと、踵を返し、その背丈に合わない外宴を靡かせ去って行った。
僕は、あの子が今にも壊れてしまいそうで、ただ怖かった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
誰かー！コメント、評価くださーい！！！
作者のもちべがぁぁぁあー！！！
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akaringo(プロフ) - 真夜さん» コメントありがとうございます！！大好きな作品なんて光栄です！！ (5月8日 0時) (
レス) id: 4f382ebc4e (このIDを非表示/違反報告)
真夜 - 最後の『О, как я счастлив.』の意味を調べて一人で喜んでました。大好きな作品です。完結おめでとうごさいます。 (5月7日 18時) (レス) @page28 id: b9cec51391 (このIDを非表示/違反報告)
るみ(プロフ) - ああああああああああああ好きです好きです好きです好きです好きです！！！！！！！！！最高すぎます！！！！！主様ありがとう！！！！！！！ (4月16日 18時) (レス) @page24 id: 0417e46c9c (このIDを非表示/違反報告)
akaringo(プロフ) - リムル=テンペストさん» コメントありがとうございます！こちらこそこの作品を読んでいただきありがとうございました！☺️ (4月13日 16時) (レス) id: 4f382ebc4e (このIDを非表示/違反報告)
リムル=テンペスト - 一気読みしました最高でした 書いていただき有難う御座いました (4月13日 16時) (レス) @page29 id: 93fa3720ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：akaringo | 作成日時：2023年10月22日 16時
