【HQ】身長2mの泣き虫 (ページ45)

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月島視点

ただでさえ日向影山のテスト勉強に最近付き合わされてるから疲れてるのに、何で敵チームの勉強まで見ないとダメなわけ？

『あの……ここが、わかんなくて……』

月島「こんなの基礎中の基礎でしょ？馬鹿なの？」

『うぅっ、あんまり罵倒しないでぇ、』

山口「わ、泣かないで〜！ツッキーこの子すぐ泣いちゃうんだから優しくしないと！」

月島「意味わかんない……」

すぐ泣く彼にイライラとした感情が芽生える。

泣いたって解決できることは何もないだろう。

『俺、授業とかちゃんと受けてるんだけど、地頭悪くて……公式も暗記できないから先に進めなくて、問題も解けないの……』

山口「語呂合わせで覚えてみたら？」

『ゴロアワセ？』

これ、俺がいる意味ある？なんて思いながら数学を教える山口を見守る。

でも奢りと言われたんだし、せめて頼んだショートケーキが来るまでは待とう、なんて考えていると、Aが笑いだす。

『山口くん、教えるの上手だね。』

山口「本当？ありがとう！」

ふにゃっとした笑顔を浮かべる彼は、及川さんに似てるようで似てなかった。綺麗な顔立ちで、でも少しタレ目だから情けないようにも感じる。

多分菅原さんあたりはこう言う後輩好きなんだろうな。

月島「そこ、計算ミスってる。」

『ぇ？どこ？』

月島「そこだって、計算ミスでも点数引かれてんじゃない？落ち着いて解きなよ。」

ピタッと手の止まったAに、また泣くのか？と不信感を抱く。

でも、そんなことはなかった。

『本当だ！暗算なのによく気付けるね、月島くんすごい。』

あぁ、なんか王様の言ってたことがわかる気がする。

こんな顔で、笑ったり泣かれたりしたら、ノーと言えなくなってしまう。

届いたショートケーキを口に入れて、この感情を誤魔化した。