もう2度と、バレーボールはやらないと【HQ】 (ページ45)

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試合が終わり、ミーティングも終わり、マンションへ帰る。

ドアを開けると、あいつがいた。

久しぶりに会った父親は、いつも通り不機嫌そうだった。

『……また、説教？』

「わかってるじゃないか。あんな弱小校で、1セット目、少ししか出ないってどういうことだ？サーブも、サービスエースすら取れない。落ちるとこまで落ちるな。」

いつもなら言い返さないのに、そのときは言い返してしまった。

『その弱小校は、決勝に行きますけどね。ちょっとしか出れなかったのも、誰かさんがオーバーワークさせたせいで、膝が痛かったからですけど。』

言い終わってから、ハッとする。

やばい、殴られ、

『…ッッ！！！』

思いっきり、左頬を殴られる。

視界がブレる、でも、大丈夫、立てる。

怒鳴り散らかすそいつを、横目に、自分の部屋へ逃げる。

念の為、部屋に鍵をつけておいてよかった……

そのうち母さんが帰ってくるだろう、そしたら何とかなる。

ズキズキと痛む頬を押さえながら、ベッドで横になる。

あいつが怒鳴りながらドアを叩く音がうるさかったが、久しぶりに少し動いて疲れたのか、ゆっくりと瞼を閉じた。