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準決勝が終わり、ボールハイや飲み物などの片付けをする。
及川さん、サーブもトスもすごかったな、とか
日向と影山の速攻、完成系になってきな、とか
山口のジャンフロ、かっこよかったな、とか
試合をフィードバックしていると、及川さんに話しかけられる。
どうやら影山と日向に絡んだ後だったらしい。
及川「星くずちゃん。」
『その星くずちゃん、やめてくれません?ただでさえ苗字呼び慣れてないのに、余計に反応しずらいです。』
Aって呼んでください、というが、無視される。悲しい。
及川「試合中、変化球のシマがどうとか、煽ってごめんね。」
……え?
そんなことを言われるとは思ってなくて、自然と瞬きを繰り返す。
及川「ゲーム上の煽りだと思って、許して?」
『……別にそこまで気にしてないですよ。』
及川「バレーは続けるの?」
『……多分続けないですね。建築系勉強したいんで。』
及川「ふーん、そっか。」
きっと、及川さんはどこまでもバレーボールを追いかけて行くんだろう。……今日会ったばかりの人だけど、何となくそう思う。
「及川ー!置いてくぞ!」
及川「まっつん!ちょっと待って!……志麻隆弘、実は俺ファンだったからさ。まぁ、いろいろあったけど、星くずちゃんのサーブとかスパイク見た時、ちょっと感動したんだよね。」
『……あざす。』
及川「ふん!だからと言って、1セット目にしか出てない奴に負けたとは思ってないけどね!ベーーッだ!」
『……(小学生かな?)』
及川「今度会う時は、コート上かどうかはわからないけど、及川さん優しいからサインしてあげるよ。」
『いらないです。』
及川「飛雄と同じくらい生意気だね!じゃあね!」
そう言って、頭を雑にわしゃわしゃと撫でた及川さんは去っていった。
日向「大王様と何話してたのー?」
『ふふっ……内緒。(確かに大王様っぽいな)』
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作者名:ましあ | 作成日時:2024年2月29日 19時