もう2度と、バレーボールはやらないと【HQ】 (ページ5)

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しばらくすると、監督と先生が体育館に入ってきた。

武田「星宮くん、だよね？話は聞いてるよ。僕は顧問の武田です。」

烏養「監督の烏養だ。」

『すみません、苗字だと慣れないので名前で呼んでもらってもいいですか？』

苗字に慣れていないのには理由がある。

親が離婚したため、星宮、と呼ばれてもあまりピンとこないのだ。

武田「Aくん、お話ししたいことがあるのですが……」

『あのー、申し訳ないのですが、今日はもう帰っても大丈夫ですか？引っ越したばっかりで、親も待ってますし……』

武田「そうですよね！明日もまた練習してるので、来てくださいね。」

『いや、あの……』

武田「今日はまだ個別練習しか見てないですよね？明日は試合形式でやるのですが、面白いものが見れますよ。」

『お、面白いものですか？』

まるで餌で釣られる魚の気分だった。

バレーボールは好きではないが、バレーボールをやってた身なので、面白いものとは何か気になってしまうのが性だろう。

日向「Aー！」

『日向くん』

日向「明日また来いよー！！」

『ひ、ひなたくん、前見ないと！』

日向「？……ホゲッッ！！！！」

言わんこっちゃない、顔面にボールが当たった。

影山「日向ボケェ！ちゃんと前見ろ！！！」

影山くんはボキャブラリーがそれしかないのかな……？

少し、面白くなって、クスッと笑う。

明日、もう一回だけなら、来てやってもいいかな。