もう2度と、バレーボールはやらないと【HQ】 (ページ32)

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2回目の合宿が始まると、夏も本格的に始まった。

今回の合宿では、ペナルティあり、かなりハードな合宿になりそうだ。

朝から晩までバレーボール、正直、マネージャーの手伝いをしてる俺でさえもバテそうだった。

左膝の調子は良くなってきているらしく、少しくらいなら運動をしてもいいらしい。

合宿1日目の夜、各々食堂へ向かうみんなを見送り、少しだけ体育館を片付ける。

『……少しだけなら、やってみるか。』

流石にいきなり飛んだり跳ねたりするのは怖いので、軽くフローターサーブを打ってみる。

山口が練習しているジャンフロはいわゆる無回転サーブだが、俺は逆に回転をかける。

ただのフローターサーブだとあまり意味はないが、ジャンフロや、ジャンプサーブだと、球が変化球のように曲がって見えるのだ。

『……少し、飛んでみるか』

軽く飛んで、ジャンフロを打ってみる。

ぐいっと球が曲がって地面に落ちる。

……俺はこの変化球があまり好きでは無い。

あいつと、同じ攻撃の仕方だから。

山口「え、何今の！？」

『ぅ、え、あ、ジャンフロ？』

山口「変化球みたいだったよ！どうやったの！？」

『回転を、かけたんだけど。』

山口「逆に！？すごい！」

どうやら山口に見られていたらしい。

最近山口もサーブを中心に新しいことを始めている。

きっと、山口なら自分の力でレギュラー入りを果たすだろう。

逆に月島は、あまり今回の合宿には乗り気じゃないよな……まぁ、父親から逃げるために合宿に参加した俺がいえたことじゃ無いんだけど。

『そういえば、月島は？』

山口「ツッキーは……お風呂入って、寝たと思うよ。」

『……そっか』