冷戦状態 ページ1
最近イライラする。
いつ頃からだろうか。
Aと喋らなくなったのは。
Knightsのメンバーも俺らの異変に気づいていた。
俺自身もメンバーには何も言わなかった。
しかしレッスンの担当はいつも通りAであり、会話をしないというのも限界があった。
ことの冷戦状態のような俺達を見て、ついにセッちゃんが口を開いた。
「あんた達いい加減にしなよぉ?」
心当たりしかない言葉にとぼけることもできなかった。
「A、こっちきて。セッちゃんごめん、ちょっと抜ける」
そのままAを誰もいない廊下に呼び出した。
「は〜ちょ〜うざぁい。さっさと別れればいいのにねぇあのバカップル」
「瀬名先輩、ヤキモチでしょうか?お見苦しいですよ」
「かさくんうるさいよぉ」
・・
「な、なに凛月くん」
久しぶりに聞く声は少し震えていた。
「なにじゃないよね、今の俺達の状況。もう俺のこと嫌いなんでしょ?」
思ってもいないことをベラベラ喋ってしまう。
あーあ、もう終わりじゃん。
「 ごめんなさい」
ほら、あんたは悪くないのにすぐ謝る。それはなにに対して?
俺のことを放っておいたこと?
怒っている俺を見てとりあえず出た言葉?
もう、イライラする。
「なんであんたが謝るの」
「だって凛月くんのこと一人にしちゃったし…また凛月くんに寂しい思いさせちゃって…!」
珍しく声をあげるA。
やっぱり好きだなぁ。
溺れてるなぁ。
「ねぇ、もうひとりにしないで?また俺ばっかり置いていかれるの?ずっとそばにいてくれるって約束して?」
初めて言ったかもしれない、こんな本音。
少ない言葉を繕って、何度も彼女に伝えたいと思ったけど言えなかった言葉達。
今、やっと文字にして伝えられた。
「凛月くんが私といて幸せなら私はずっと凛月くんといる。もう、ひとりじゃないよ」
ほら、すぐ俺の言ってほしいこと言うし。本当にズルい。
俺、あんたがいないと何もできないくらい好きになっちゃったみたい。
ほんと自分でもありえないんだけど。
でもさ、あんたも
「俺がいないと何もできないくらいめちゃくちゃになっちゃえ」
END
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作者名:RIN | 作成日時:2018年10月15日 0時