小話。上司(赤井と降谷) ページ50
(女上司と赤井)
『違う違う。あなた、書類整理へったくそね』
『俺は実践主義なんだ』
『ちょっと器用だからって調子に乗るなっ』
彼女は俺が提出した書類をまとめて良く頭を叩いていた
『妾の言う事は聞いてくれてるみたいだけど、ちゃんと仲間と会話をなさい』
後にその意図を知るわけだが
『全く、世話の焼ける部下だこと』
最後は苦笑いをして、そう言って終わる
ある日彼女は俺を静かな場所へ呼び出した
そして俺に言った
『あなた、潜入捜査興味ある？』
今思えば本当に強い女だった
その言葉に意味はない
そのままの意味だ
『秀一に妾が殺せるのかしら？』
彼女の背中を俺は今でも視ている
『...あの人の足手まといは御免よ。貴方にチャンスをあげるわ』
上司として、人として
『あなたなら大丈夫』
死さえも恐れない強さに俺は憧れたんだ
彼女の言葉と意志を俺が殺すわけにはいかないんだよ
(消えないもんだな)
俺はこの手で彼女を殺めたのだから
(殺した場面というのは)
この身体ある限り、俺は足掻き続けなければきっと彼女にどやされるのさ
(糞上司と降谷)
「よぉ。来たな」
「アンタって人は...ｯ!」
「お前、部下に甘いんじゃないのか？普通に騙されたぞ？」
「当たり前だろ！？アンタを知らないんだからな!!」
人に化けて人を化かすまるで狐のような人だ
性格は飄々としてヘラヘラと、だから余計に腹が立つんだ
「降谷お前、昔の話覚えてるか？」
「昔？始末書をサボった話？」
「根に持つ奴ー。けど違う」
どうしてこの人は俺の前に居るんだ
「ほら、ゼロは何掛けてもゼロで何も残らないって話さ」
何時までたっても変わることのない距離、遥か遠くに居る影を俺は追いかけているのに
「...ありましたね。記憶にも記録にも残らないとも」
ちっとも追い付いた気がしない
「おーそれそれ。その続きお前に言ってなかったと思ってな」
寧ろ遠のく
「ゼロは」
勝手な人だ
「無限の可能性を秘てるのさ」
焚き付けるだけ焚き付けて逝くのだから
「降谷、卒業試験...やるか？」
俺は悔しい程にこの人に憧憬を抱き、追いかけてそしてまた、置き去りだ
(絶対、言ってやるもんか)
それが俺のやり方なんだ
若きエースは亡き上司の背中を見て、その意志を継ぐ
そして乗り越えて行くのである
((...優しい顔してやることなすことはエグいもんだった))
.
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夢ぽてと(プロフ) - Reeさん» ありがとうございます。次回から誰目線か、タイトルにつけさせて頂きます！ (2018年1月21日 22時) (
レス) id: 1b7aef326f (このIDを非表示/違反報告)
Ree(プロフ) - 久しぶりに素敵な作品に出会いました。もしよろしければ〇〇sideなどつけてもらえればもっと読みやすいです！厚かましくすみません。これからも応援してます！ (2018年1月20日 22時) (レス) id: f12dc0b01b (このIDを非表示/違反報告)
nanakoneko775(プロフ) - ひさしぶりにこんなに感極まる作品を読めました。これからも影ながら応援しています。 (2018年1月13日 1時) (レス) id: 08d95b3f3e (このIDを非表示/違反報告)
咲夜 - とても素敵な作品で涙ぐむシーンもあってすごく楽しかったです。自分的にオチは安室さんか快斗くん落ちがいいなぁと思ってます(*´∀｀*)これからも頑張ってください！応援してます (2018年1月8日 9時) (レス) id: 9931316bd0 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - まさかの新一落ちですか？新一落ちだったらいいんですけどねぇ。新一落ちがいいなぁ。 (2017年12月30日 13時) (レス) id: 922fe10146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢ぽてと | 作成日時：2017年12月21日 8時
