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花丸な本丸(薬研藤四郎) ページ30

「ふんふふん!ふふん」

「ご機嫌だなぁ。お嬢」


「Aげんきー!やえん、いーこいーこしてくれたからもういたくなーい」


「そりゃ良かった」


歩き始めるとぴたりと涙は止まった

抱き上げると綿菓子のように軽い

つい、手に力が入る


(可愛いなぁ)


悲鳴が聞こえてきたときは驚いたが

敵襲かと思い駆けつけて見れば何て事はなかった


「あ!あちゅ!」


お嬢が泣きじゃくっていたのはびっくりだがなぁ

和泉守の旦那の狼狽具合といったら…もう

腹抱えて笑いてぇくらいだ


「おーどーした?たんこぶ出来てんじゃん!?」


「おほしさまとこんつんこしたった!」


「ん?」


「ほら、さっき悲鳴聞こえたろ」


「んあぁ。一兄が本体持って飛び出してったけど…」


「いちにぃはー?」


「んー本丸一周くらいして来るんじゃね?」


「お嬢は人気もんだなぁ」


本当に見違えるほど本丸は変わった

幼子一人にこんなにも動かされているんだからな

悲鳴1つで皆、躍起になる


「おや、可愛い小鬼がいるねぇ」


「兄者そこはせめて《てんし》とやらにしてはどうだろう?」


「細かいことは良いじゃないか。………えぇーっと…肘丸?」

「ちあうよ!ひじまるちがうの!あのね、ひ、ひ…ひ…………????」


「膝丸だな」


「……」


「ありゃりゃ」


「落ち込まんでくれ、膝丸の旦那さっきまではちゃんと言えてたんだ」


「落ち込んでなどいない!!」


「ひじまる!!…………あれ?」


「どんまい、膝丸」

「兄者!!」


廊下ですれ違う度に立ち止まる

他愛ない話に表情は目まぐるしい


「………」

「おおくりきゃりゃ!!みっけ!」


「そもそも隠れていない」


「お嬢がさっき柱にぶつけたんだ」


「何も聞いてないだろ」


「てっきり心配して飛び出してきたのかと思ってな…勘違いだったかい?」


「……………………………」


無口な旦那でさえ、眉間にシワを寄せ片手に本体と甘味一つ持ってくる


「おまんじゅうだぁ!!やえん、おまんじゅうもらたよ!!」


「良かったなぁ」


ようやくこの本丸にも花丸な日々ってやつが来たわけだ


「お嬢、食べる前に言うことは?あるだろう?」


「おおくりきゃらありあとーいたたきます」


「礼なら光忠に言え」


少し前までは牙を剥き出しだったのになぁ

とんだ裏切りに腹抱えて笑いたくもなるだろう


(愛してるぜ。大将)


心から感謝してるんだ

.

大きいけれど小狐丸→←サクラスタンプ(和泉守兼定)



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設定タグ:刀剣乱舞 , 幼女 , ほのぼの   
作品ジャンル:アニメ
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夢ぽてと(プロフ) - 清藤〇さん» コメントありがとうございます!亀更新ですが、頑張ります! (2019年11月3日 15時) (レス) id: dc72360ccd (このIDを非表示/違反報告)
清藤〇(プロフ) - 定期的に読み返すほど好きな作品です...久しぶりに更新されていて歓喜でした。体調にお気をつけてこれからも更新待ってます! (2019年10月31日 22時) (レス) id: 71409fbe97 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢ぽてと | 作成日時:2018年11月8日 15時

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