サクラスタンプ（和泉守兼定） ページ29
「あーーーーーー！！！」
「チビ助ぇ！！」
薬研藤四郎と別れてすぐ悲鳴は本丸中に響き渡った
和泉守兼定も気が気ではなかった
まさにやっちまった、と頭を抱える始末
『たかーい！！かねしゃんすごーぃ』
『だろ！？』
ほんの少し飛び出る頭一つを忘れていたのだ
意気揚々と肩車をしてみたものの
Aを柱に頭をぶつけてしまった
「うわああぁぁぁんん！！」
「あ、あ大丈夫かぁーーチビ助！？ど、どうし…国広ぉ！！」
和泉守兼定が堀川国広を呼ぶより先に薬研藤四郎がいち早く駆けつける
わんわんとおでこを押さえて、泣きじゃくるAとおろおろする和泉守兼定をみて苦笑する
「なんだ、肩車でもしたのか」
「ま、ま、まぁな。良く分かったな？チビ助は大丈夫なのか？」
「怪我もないし安静にしていれば問題ない」
凄く歪で不吉な音がしたんだ、と和泉守兼定は不安げに言った
念入りに診察している間もボロボロと涙が溢れている
「びっくりしたな…お嬢」
「ん」
よしよしと薬研藤四郎が優しく頭を撫でるとAは小さな手で大粒の涙を拭う
しかし想像を絶する痛みだったのだろう
残念ながら 涙が止まる様子はない
「兼さん？」
和泉守兼定は悪寒を背後に感じて後悔した
「何、したの？」
呼ぶんじゃなかった、と心底後悔した
「まぁ、大人しくお縄につくんだな。旦那」
味方が誰もいない
「かねしゃんつかまるの？」
「不注意とはいえ、お嬢が怪我しそうになったんだ。説教は必要なんだ」
「ほりぃあのね、かねしゃんわるくないの。おほしさまがおちてきただけなの」
この小さなフォローが心に刺さる
罪悪感に苛まれ、和泉守兼定は大人しく正座
「主さんは薬研くんとおじいちゃんの所に行きましょうね？」
「じぃ？」
「おぅ。やっぱり、三条派の旦那方だったか…」
「うん。今の悲鳴で帯刀しちゃったから薬研くんには申し訳ないけど早めに主さん届けてくれる？」
「よし、任された」
薬研藤四郎はAを抱き上げて歩き始めた
「兼さん感謝してよね！もう少しで三条派に見つかってたら正座じゃ済まなかったよ？」
「面目ねぇ…」
「あの主さんが泣きじゃくるからただ事じゃないって大変だったんだから」
「悪かった」
調子に乗りました、と後で和泉守兼定は謝りにに行く
「かねしゃん、いーこいーこ」
サクラスタンプ一つプレゼントしました。
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夢ぽてと(プロフ) - 清藤〇さん» コメントありがとうございます！亀更新ですが、頑張ります！ (2019年11月3日 15時) (
レス) id: dc72360ccd (このIDを非表示/違反報告)
清藤〇(プロフ) - 定期的に読み返すほど好きな作品です...久しぶりに更新されていて歓喜でした。体調にお気をつけてこれからも更新待ってます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: 71409fbe97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢ぽてと | 作成日時：2018年11月8日 15時
