【刀剣乱舞】旅立つ前に

サクラスタンプ（乱藤四郎） ページ25

子供の成長は早いと言う

「みだれおねぇちゃ！！」

視たもの、聞いたもの全てを吸収する

「なぁに？」


「ひらひらかぁいいねぇ！ふわふわ！」


何でも真似ようとするのその影響だろう

厨を覗いては燭台切光忠の後ろを付いて回り

洗濯している堀川国広に引っ付いて離れなかったりさすがに裁縫はさせて貰えなくて拗ねたけれど


「まんばっくれた！！Aもひらひらできるっ」


「え！？まんばさんがくれたの！？そのぼろ…じゃなかった白い布」


「うん。あのね、きれいっていうなーってわしゃわしゃぁって…」


「？？」


最近ではよく、物真似をするようだ


(嫌われてるって訳じゃなさそうだけど…)


山姥切国広のように布を被り、突撃する姿もしばしば


「よぉし、加州さんとこ行こっか」


「かしゅー？」


「そうだよー。Aもおめかししなくちゃ」


「おめめかくし…？おかかくし？おかかめし…？」

「Aってばお腹空いてるの？」


あと良く言葉を真似する

やっぱり親の真似するというかなんというか


『どーだ！おどろいたかぁー！！』


一番多いのは鶴丸国永の真似をする

覚えなくていい悪戯まで覚えた時に怒られるのは鶴丸国永だ

どや顔でどうだと言ってくるAを怒れないというのもある


「Aお腹すいてない！」


「えぇ！そっかぁ、ざんねんだなぁ」


「？」


「３時のおやつに美味しいお団子があったんだけど…」


「え！！！」


哀れな小さな娘の魂に救われた刀剣の神々は純粋な恩恵を受け、穢れさえ浄化された


「Aがお腹すいてないっていうんならお預けだねぇ」

「すいた！みだれねぇちゃ…っ。Aおなかすいてるの！！」


「へへ…さっきお腹すいてないっていったじゃーん」


「いってない！いってないもん！！」


その時が来るまで恩を

いや、この愛されるはずだった娘を愛そうとそれぞれに想っている

せめて黄泉へ逝くまでここで平穏に暮らせばいい


(後、どれくらい一緒に居られるんだろう)


美味しい暖かいご飯をたべて

可愛い服を来て出掛けたり

屋敷を駆け回り、怒られて泣いてしまったらうんと甘やかして

夜は一緒に寝て朝を待つだけでいい


「加州さーん！いる？」


「かしゅー！やすすー！おたんこきたよ！！」


小さな喜びを与えることしか出来ない歯痒さと彼らは闘っている

神と云えど、末端

神の権限など微々たるものなのだ

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