花のち晴れ 〜不器用な彼の婚約者です〜

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由紀恵『もう、家事なら任せてって言ってるのに』

音『お母さんに任せたら3日かかるから』

由紀恵『お洗濯くらいできるわよ』
『5時間くらいあれば』

音『5時間って、笑』

お母さんは、根っからのお嬢様だから笑


由紀恵『音ちゃんがお仕事に行ってる間に届いたの！』
『じゃーん！月に1度のお楽しみ』

そう言って見せられたのは、
毎月送られてくる馳家からのプレゼント

由紀恵『ほーら綺麗でしょ？』
『本当に素敵なフィアンセさんよね〜』

音『だね、』

由紀恵『利恵さんにお礼の電話入れなくちゃね』

音『うん、』

由紀恵『もしもしー？お忙しい中すみません』
『音の母の由紀恵でございます』
『また今月も素敵なプレゼントを賜りまして』
『今、音に代わります』

音『もしもし』
『いつもお心遣い頂きありがとうございます』

利恵『いえいえ、お気になさらないで？』

由紀恵『天馬さんに代わってもらったら？』

利恵『ごめんなさいね』
『天馬さんはもう学校へ』

音『なら、天馬くんにもよろしくお伝えください』

利恵『えぇ、伝えておきますね』

我が家がこんなになってからも天馬くんとの婚約が続いている。
それは、天馬くんのお母さんの遺言でもある。
ただし、条件付きで、それは、18歳まで英徳学園に在籍すること。
この婚約だけがうちの家族の希望の光

音『あ、もうこんな時間』
『じゃあお母さんいってきます』

由紀恵『音ちゃん、いってらっしゃい』

今日ももちろん歩いて登校、
学校の入口に近づくと、高級な送迎車か並んでて

私は今日もその横を歩いて通り過ぎる


そしたら、一際輝いている人がいた。

三日月さんだ、

近くを歩いてる生徒が
キラキラした顔で彼女の方を見ている


彼女はその視線に応えて笑顔を振りまいてて、


それを自然にやってるから、さすがすぎる


やっぱり、お姫様みたいだな〜ってつい思った。

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