検索窓
今日:9 hit、昨日:13 hit、合計:358,496 hit

ページ15

Aside



『んっ…ぅ………』


暖かい日差しを受けてゆっくりと目を開ける。

ぼやけていた目が次第に焦点が合っていき、飛び込んで来たのは私の顔を見つめる一二三くん。



一二三「おはよう、Aちゃん」

『ん…、はよ……』


朝に弱く、未だに頭が回らないまま返事をするとへにゃあっと締りのない顔をしてかんわぁい〜と頬をつつかれる。


『ふわぁ〜…一二三くん、いつ帰ってきたの?』

一二三「5時くらいに帰ってきたかな!」


欠伸をしながら今何時だ…と携帯をとり確認すると11時と表記されているのを見て、結構寝たな…と思う。


一二三「ってかめっちゃビックリしたし〜!帰ってきたらベッドにAちゃんいるし?まぁとりあえずパシャったよねぇ〜!」

きゃっきゃと楽しそうに見せてくる携帯には眠る私が画面いっぱいに映っている。



『楽しそうでなりより……それよりもお昼まだだよね?私が作るからキッチン借りるね』

一二三「おっ!俺Aちゃんの作るご飯ちょー好き!俺っちも手伝うね!」

『ん、ありがと』


ぼーっとしながら歩く私の後ろをちょこちょことついてくる一二三くんを見て犬みたい。と心の中で思う。


一二三「んは〜!うんまかった!!ありがと、Aちゃん!」

『ふふっ、それなら良かったよ』



お腹を擦りながら美味しかったと言う一二三くんに少し気恥ずかしくなるが、凄く嬉しくなる。

そして俺っちが片付ける!と豪語した一二三くんをソファーに座らせ私が片付ける。



一二三「もー、来るんだったら言ってくれれば良かったのに」

『ごめんごめん、驚かせたくて』


キュッと蛇口の水を止め、一二三くんの方を向いて笑いかけると、おもむろにソファーから立ち上がり、控えめに私の袖を掴んでくる。

ん゛んっ……身長もはるかに高い一二三くんがそこはかとなく可愛い。


にやける顔を抑えながらどうしたの?と聞く。


一二三「その、ぎゅーってしたいなぁって……はは、俺っちはずかしー……」


なんだこれ。
なんなんだこれ。なんて母性を擽る奴なんだ。

『あ〜、っもう…』


片手で真っ赤な顔を隠す一二三くんの胸に飛び込み、久しぶりの感覚に更にぎゅうっと力を強くする。


一二三「う、Aちゃん…」

『やっぱ離れてとか嫌だから。今のは一二三くんが悪い。』

一二三「いや、そうじゃなくて……!」


その、あ、ああ当たってる…。と耳まで赤く染めて目線を逸らす。


その初心な反応にこの人はどこまで私の心を射抜くつもりだ…と溜息が出そうになる。

*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (892 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2299人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

@がーな(プロフ) - 初めまして!めっちゃくちゃ面白くて、続きが待ち遠しいです!!これからも頑張れです!! (2022年3月21日 10時) (レス) id: ab96b69a73 (このIDを非表示/違反報告)
作者の者(プロフ) - もう…更新しないんだろうなぁ… (2021年8月29日 15時) (レス) id: 2694ed84e1 (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - 初めから読みました!!めっちゃ続きが気になります!!更新頑張ってください! (2021年1月24日 13時) (レス) id: 61644e4b7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆあ - とても面白いです!更新頑張ってください。 (2020年8月11日 23時) (レス) id: 40c0d023cb (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - はよはよ更新! (2019年9月25日 17時) (レス) id: d201cc0d11 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽちねこ | 作成日時:2018年6月20日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。