【ヒプノシスマイク】2.社畜の私にはあんたらに構ってる暇はない

47曲目 ページ12

殿堂入りありがとうございます…！
また記念の番外編書きます。なにかリクエストあればコメントして下さい。



Noside


黙々とご飯を食べる一郎の携帯に着信音が流れる。

画面を見ると、〈A〉の表記。


一郎｢もしもし、どうした？

…寂しい？んなの、俺も寂しいに決まってるだろ｣

それを見た瞬間ワンコールが終わる前に取り、幸せそうに話し始める一郎に他のディビジョンは狂気を感じる。

傍から見たら彼女からの寂しい〜早く会いたいよコールだと思うが相手は姉。
いつ見ても重度なシスコンぶりに呆れながら見る元TDDの3人は慣れたものだ。

左馬刻もAと会ったのは最近だが、一郎が溺愛していると前々から知っていて、電話口でこうやって話しているのは何度も見たことがあった。


二郎｢兄ちゃん！俺も…｣

三郎｢一兄、僕も姉さんと話したいです！｣


一郎｢ん？あぁ、A、二郎と三郎に変わるぞ｣


一郎はスマホをスピーカーにして2人に向ける。


『もしもし？』

三郎｢姉さん！1人で大丈夫ですか？｣

『大丈夫だよ、三郎達も大丈夫？』

二郎｢うん！他の奴ら皆ぶっ潰してきてくるから！｣

『ぶっ潰すって…、今回は話すだけでしょ？』

二郎｢そ、そうだけど、それくらい俺たちが強いってことだよ！｣

三郎｢馬鹿かお前は…！お前が喋ると僕まで低脳だと思われるじゃないか…！！｣

二郎｢あぁ？誰が低脳だもう1回言ってみろや！｣

三郎｢大声を出すな…！！姉さんに聞かれるだろ！？｣


『あれ、もしもし？』

二郎、三郎｢｢もしもし姉ちゃん/姉さん！！ちゃんと聞いてるよ！｣｣



コントなのか。
今見せつけられているものはなんだろう。

と黙々とご飯を食べながらみんなの思考がそれで埋め尽くされる。



左馬刻｢…おい、うっせぇ。飯に集中出来ねぇ！！｣

遂に耐え切れなくなったのか短気な左馬刻がスマホを取り上げ画面の向こうにいるAに怒鳴る。


『うわっ！？うっさ！！！って、左馬刻じゃん。なにイライラしてんの』

左馬刻｢うるせぇ！俺たちはなにを見せつけられてんだよ！｣

『なんの話！？』


ギャーギャーと女相手に見境もなく騒ぐ左馬刻に一郎は睨みつける。

一郎｢どっかの誰かさんへの牽制だ｣

左馬刻｢あぁ？てめぇそれ俺様の事言ってんのか？｣

一郎｢それがなんだよ｣


『え？喧嘩してんの？
あーー！！画面越しに喧嘩するな！もういい！』


メンチを切り合う2人に痺れを切らし、そう言ってブチッと通話を切ったA。


どうやら今日も話し合いにはならないみたいだ。

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