【ヒプノシスマイク】2.社畜の私にはあんたらに構ってる暇はない

41曲目 ページ2

Aside


一二三くんみたいに刺されてからじゃ遅い。

一郎の反対を押し切りちょうど有給をとっていた土日の間にストーカー被害にあってる男の人会い、私が彼女のふりをしてストーカー女性に諦めてもらうというなんとも言えない雑さも感じるが手っ取り早さとしては1番だろう。


ストーカー女性も一二三くんの時ほど酷くはないが、少し仕事に影響が出てきているからと言うことで今回動くことになった。


男｢すみません…お手数お掛けしてしまって…｣

『いえいえ、お互い嫌な思いにならない内に解決しましょうね』


新宿のカフェで待ち合わせをしてからストーカー女性がついてくるのを横目で確認しながら恋人のように話しながら歩く。

見た目はチャラそう…だけど凄く真面目そうで言葉遣いも丁寧…ホストは皆一二三くんみたいにチチチチーッス！って言ってるのかと思ってた……。


『…ついてきてますね』

かれこれ3時間くらい歩き回ってるけどずっとついてきてるな…


男｢そうですね…おっと、大丈夫ですか？｣

『あ、ありがとうございます』


女性の方に気を取られていて躓いてしまい、男の人に寄り添う体制になる。

離れようとすると、ぎゅっと優しく手を握られ思わず顔を見る。


男｢また躓かないように繋いでましょうか｣

ね？と微笑む顔を見て、確かにこれは勘違いするわぁ……と関心する。


『やっぱりホストってこうゆう気遣い上手ですね』

男｢あはは…伊弉冉さんには適いませんけどね｣


いいよ、そのはにかみで落ちる女がいるんだから自信持ちな！！！

弟には負けるけどかっこいいよ！！


と心の中で喝采を送りながら女性を見てみると、いつの間にかいなくなっていた。

これは…成功か？


心配だからと今まで私たちを尾行して見ていた一郎達に連絡を取ると、泣きそうになりながら走っていったとのこと。

ストーカーが無くなればいいんだけど、泣かせたい訳でもない。
自分はあまり弟以外に入れ込むような人がいないから気持ちは分からない。


『女性、いなくなったみたいですよ。多分もう大丈夫だと思いますけど…また何かあったら連絡して下さいね』

男｢ほ、ホントですか？ありがとうございます…！｣


コケたのも手を繋ぐのも話には無かったけど、解決したんだったらいいか。

男｢今度店に来たらご馳走します…！！｣

『じ、時間があったらいきますね』

ブンブンとさっきとは違って勢いよく握手をしてくるホストに狼狽えながらも笑顔が見れて安心した。



これを誰かが見てるとも知らずに。

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