〈96〉 ページ2
side GREEN
｢……早くアイツらを笑わせたい。｣
ボソッと先生が呟いた。
｢…SixTONESにはいつも笑わせてもらってるから、早く笑わせてやりたい、と。
近くにいると情けないところを見せてしまって、
弱音を吐いてしまう。
そんなことをしたら、彼らは辛いだろうと。
笑っていて欲しいのに、泣かせてしまう。
…そう、おっしゃってましたよ｣
先生は、どこか遠くを見つめたようなそんな感じで、ボソボソと喋った。
｢んだよそれ…｣
ちょっとイラついた口調で高地が呟く。
｢俺らだって、北斗を笑わせたい。
だけど、それと同時に、辛いなら、情けないなら
だったら一緒に辛い思いを分け合いたいんです！
…一緒に乗り越えて行きたいんです！｣
俺も思わず声が大きくなる。
｢この距離のもどかしさが、1番辛い。
どうして分かってくれないんだよ。
アイツ、頭良いくせに、ほんっと、そういう所は鈍いんだから｣
樹が頭を抱えて苦い顔をする。
｢………笑ってみせます。何がなんでも｣
少し間が空いて、きょもが口を開いた。
｢…辛い顔、見せなきゃ良いんですよね。
そして彼を必ず笑わせます。｣
｢…いや、言ってる傍から誰よりも涙目じゃん(笑)｣
樹が突っ込むけど、
｢いや、お前の方がやばいだろ(笑)｣
なんて、高地から樹が突っ込まれて、皆の顔に笑みが零れた。
そうだ。
泣くのはおしまいにしたんだ。
｢お兄さんや、お父さんも、皆さんがそう言ってくれるだろうと。
だから、この話をしてくださいと、私に言いました｣
言葉を選ぶように、うーん、と少し戸惑いながら、
｢…あくまで、20パーセントは目安です。
19パーセントと何が違うんだと言われれば、それもそうなんです。
昔は、30パーセントを越せば白血病なんて定義されていたこともあって。
だからね。理屈じゃないんです。人の命は。
笑っていれば、ガンは治るなんて、話聞いたことあるかもしれませんけど。
私は6人の力を信じますよ。｣
｢じゃ、じゃあ！いいんですか！
そばに居ても…｣
俺は思わず立ち上がった。
｢……僕は何も知りませんよ。
皆さんには、北斗さんの病状のことも、今日一日の過ごし方についても、何も言っていませんし。
それでも、良いですね｣
｢｢｢｢｢ はい！！！｣｣｣｣｣
｢シャーッ、行くぞ！ahahaha〜！｣
ジェシーが部屋を飛び出して、俺らも後ろをついていく。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 383人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーちゃん(プロフ) - 舞さん» いつもありがとうございます〜♪いつになるか分かりませんが、新作出来たら今後ともよろしくお願いします♪ (2019年8月29日 9時) (
レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 璃恋さん» ロス多発しております！笑 ロス解消出来るように短編集頑張りますね！コメントが励みになります。ありがとうございます(><) (2019年8月29日 9時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - りじぃーさん» コメントありがとうございます！更新が待ち遠しいなんて最大の褒め言葉ですね！嬉しいですー！これからも恐らくほぼほぼ北斗くんの供給になりますのでまた読みに来てください♪ (2019年8月29日 9時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - まなさん» ご愛読、コメントありがとうございます〜！ロスするほどハマって下っていたなんて、嬉しいです(><)短編集出来ましたらまた遊びに来てください！ (2019年8月29日 9時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
舞 - 完結おめでとうございます！これからも頑張ってください！次の作品も楽しみです！ (2019年8月29日 9時) (レス) id: 0abd04aca6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あーちゃん
| 作成日時：2019年8月24日 9時
