自信喪失と激励 ページ9
後半が始まってもなお、ユリカたちの猛攻は止まらなかった。ユリカと対峙したAは吹き飛ばされ、フィールドに倒れる。
「凄い……。あんなに強いなんて……私……｣と完全に自信喪失してしまったAの元に颯馬が駆け寄り助け起こした。
「大丈夫であるか、A殿！……しかし、ゆりか殿はなぜ苦しそうなのであるか？」とユリカを見た。颯馬と目が合ったユリカは何かを言い残し、ポジションへ戻る。
「ありがとう……颯馬くん。でも……」
「でも、なんだ？貴様、諦めるのか。それでも貴様は夢ノ咲学院の生徒か？弓道部の一員か？……チョウキンウンズの一員か？……頑張ったら、褒美に抱擁のひとつぐらいはしてやろう。だから、諦めるな。」とAの頭を撫で付けるとついでに颯馬も飛びついてくる。颯馬を支えきれなかったAは転倒してしまう。
「仲良しなんだな、あいつら」と円堂が微笑ましそうに見ている。
「この戦、勝つのは我らちょうきんうんずである！そして、おりおんの闇を暴き、おりおんの使徒を救うと稲森殿から聞いておる！」
「神崎さんの言う通りだ！みんな、サッカーやろうぜ！」と円堂も続いた。
「……ザキさんと守の言う通りだ！」とチョウキンウンズの士気が高まる。スバルが再び必殺タクティクスの『アンサンブル･フィールド』の司令を出し、シャドウ･オブ･オリオンのGK前まで到達した。司は野坂にパスを送る。
「野坂さん！これでshootを！」
野坂は司のパスを受けると、灰崎、一星、明日人とともに『ラストリゾートジグマ』を発動した。
「ブラックシールド！」
GKの『ブラックシールド』を撃破した『ラストリゾートジグマ』はゴールネットに突き刺さった。
『３ー１』
チョウキンウンズが一点もぎ取ることに成功した。
「Marvelous！この調子で逆転です！」と司が喜んでいる。
ゴールを決めた野坂、灰崎、一星、明日人も喜んでいるのをユリカは忌々しそうに見つめている。だが、胸の内にユリカは違和感を覚えていた。
「なぜ、こんな気持ちになる？」とユニフォームの胸元を鷲掴みにする。
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作者名：@ネギキノコ | 作成日時：2019年12月23日 18時
