オリオンの力 ページ4
世界代表のDF陣がユリカの行く手を阻んだ。マリク、颯馬、ルースと次々に抜き去る。
「オリオン･クロスバイパー！」
ユリカの必殺シュートが決まる。
「円堂殿！大丈夫であるか！？この神崎颯馬、簡単に抜かれてしまった……」
「すっげぇ。なんてすげぇんだ！叶わないさ、あんなの。けどそういう奴らがいるのってまだおもしれえ事があるってことだ！」
世界代表の反撃が始まる。みかが豪炎寺にパスを送る。豪炎寺の必殺技『ラストリゾート』が襲うが、「コンチェルト」と呟いたユリカが打ち返した。
「ラストリゾートすら通じないか……」
そのまま攻め上がったユリカは2得点目を決めた。
夢ノ咲学院や、秀越学園、玲明学園から選出されたメンバーが一人、一人と苛立ち始めてしまう。
「MFが頼りない故、2点ももぎ取られたではありませんか！」
「何？貴様！MFのせいなのか！」と敬人が茨に抗議した。
「その通りです！少女一人を簡単に通してしまうとは！｣
「おい！監督！七種茨を下げて鬼龍を出せ！」我慢できなくなった敬人が叫んだ。
「蓮巳くん、それはまだ×で〜す！」と趙金雲が大袈裟に答えた。ゴールの前にいた真はおろおろとしていた。
「……どうしよう……！喧嘩が…始まっちゃう……」
マリクは真を察したのか大声を上げた。
「喧嘩してていいの？オリオンを倒すんでしょ？気持ちを切り替えて、戦おうよ！楽しもうよ！これから逆転出来るかもしれないんだよ？」
マリクに言われた敬人と茨は顔を見合わせた。
「……ふん。その眼鏡に免じて許してやる。」
「そっちこそ。勝つのは我々世界代表、チョウキンウンズですからね。さぁ！突撃！侵略！制覇！ふはは……！」と茨が高笑いをする。
全線では野坂、フロイ、スバルがユリカを見つめていた。
「ユリカ・ベオル。僕は昔の彼女を知ってるよ。優しくて……平凡な女の子だったけど」
「だいぶ変わったみたいだね。」
「……あの子のサッカー、キラキラしてるのに、試合自体、キラキラしてないよ！俺には分かる！」とスバルが心配そうにユリカを見つめていた。
「変えられたんだよ。母さんに……戦うことだけを植え付けられて……心を持たない戦士になったんだ。」
「……酷いよ！そんなのキラキラしてない！」
「その通りです、明星さん」と明日人が歩みよる。
「誰かが人を支配しようとしても、その人の中にある、『本当の自分』は消しされないんですから」
「うん……。よし！この試合キラキラさせて、あの子達を助けよう！」
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作者名：@ネギキノコ | 作成日時：2019年12月23日 18時
