手前に食わせる飯はあるけども三皿目【文スト】

＃９ ページ5

そんな台詞を言われた俺は、Aを抑えていた手の力を弱くしてしまった

「…詰みだな」

そう言ってAは俺から離れ、ピエロのお面を持っち背を向け、歩き出す

「また来る
俺はお前を絶対に許さねぇからな」

「…待て、最後に…聞きてぇことが有る」

ピタリと、足を止め「聞くだけだぞ」と言った

「…最近の『ピエロ殺人事件』
政府要人やポートマフィアの構成員…特務課エージェントが無残に殺される事件…あれは

お前の仕業なのか？」

本当は聞きたくなかったが

此奴が犯人の確率は相当高い

若し此奴が犯人だったら、俺達は此奴を

殺さなければいけない



「……俺は殺しはしねぇ
昔から、俺は…殺してはいなかった…」



其れだけ言って、Aは逃げて行った

「………そうか」

俺はその言葉だけで少し元気が湧いた

「……彼奴じゃねぇよな…そうだよな」

彼奴と戦うと言う、そんな残酷で非道な事は先ずないと思った

俺はその場へ倒れこみ、空を見た

「そうと分かれば、犯人の『偽ピエロ』をぶっ倒して、彼奴を元に戻さねぇとな」

＃１０→←＃８

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す