手前に食わせる飯はあるけども【文スト】

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Aside

立原兄貴が帰り、既に夕方になった

「ハァ…」

彼奴、毎日来るって言った癖に、嘘かよ…？

「絶対に彼奴は来る！なぁ織田作！彼奴、俺にしつこかったから、絶対に！」

俺は織田作の写っている写真に問いかけた

「……」

「やっぱり、写真だから、何も喋れないもんなぁ」

出来れば、

出来れば、お前も来てほしいんだぜ？織田作…

「…うん！彼奴の事だ！きっとそのうち来るさ！
だって、中原の兄貴が言ったんだものな！」

そうさ、絶対に来る…

「そ、そうと思えば！彼奴等二人組の飯作ってやる！
待ってろよぉ？激辛にして涙目にしてやる！
文句言ったって知らねぇからな！
莫―迦！！」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

中原side

やべぇ！すっかり遅くなっちまった！

俺は港近くの道をただ只管走っていた

現在深夜12時

良い子は直ぐに寝る時間帯だ

彼奴もその良い子に入るから、絶対に寝てる！そして怒ってる！

そろそろ店が見えてくる筈だが…

「！あった」

一応、店を一回見て本部に帰ろうと思う

「？open」

看板はまだオープンと書いてあった

中はまだ明るかったが、人気はない様に思えた

彼奴、居るのか？

「えっと、入っていいよな？」

俺は迷いながらドアを開けた

「おーい、A…」

その名前を呼んだ時、何処か暖かくなったような、嬉しくなったような気がした

「ｚｚｚｚ」

「ハハ、可愛い奴」

唾液を微妙にたらし、幸せそうにカウンター席で眠る、可愛らしい料理人の姿が其処にはあった

その手前には、ラップで囲んであった、如何にも辛そうな、カレーが置いてあった

三人分

「ン…ふわぁ〜！よく寝た！
って、あ、任務は如何だった？幹部殿？」

二コリ、と涙目で、彼女は微笑んだのだ

ああ、俺、幸せ者だな

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