手前に食わせる飯はあるけども【文スト】

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「それより、」

「？」

俺はAの手を握った

「俺は手前が欲しい」

「キモ」

「サラッと言うなよ！！」

「ンじゃあ、カレーのお替りもいらないな？」

「い、いるいる！！」

俺は急いでカレーの皿を出した

「気持ちだけ...」

「あ？」

「気持ちだけもらうよ」

Aの顔は少し切なげだった

「んだよ、手前、好きな奴いんのかよ」

「いるっていうか...

まあ、


言えば、いるな」


何だよ...いんのかよ...

俺は「そうか」と、ボソッと返事した

「......」

「......」


緊張と沈黙が店中を走り回った


「そ、そうだー！」

Aが何かを思い出したのかいきなり大きな声を上げた

「な、何だよ...」

「中原の兄貴、あのさ、」

「な、中原の兄貴！？

俺は今回でお前との距離が縮まったのか！？」

「るせえなぁ...
あんた何だ、いちいち突っ込まないと生きていけない
寄生虫か？

人が話している時は口を出しませんって大人に習わなかったのか？」

「兄貴の後は寄生虫扱いかよ...

で、何だよ。」


「嗚呼、そうそう、
今度の休み、何時だよ」

「あ？」

休み？

休みを聞いてどうすんだ

！！

もしかして！

「逢引！？」

「違ぇわ、阿保」

其処まで言わなくてもいんじゃね？

「否、何、

俺、こんなんだから客が来ねえんだけどよ」

「自覚してんだな」

「して悪いか」

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